多様な面々の集まってきているパルチザンだが、この人が移籍したと知って妙に納得してしまった。初めて自宅のスタジオでレコーディングを行ったという7枚目のアルバムは、アンタイに残した『Kidsticks』からおよそ6年半ぶりのリリースとなる。とはいえ宅録的なまとまりに集約されるでもなく、サンズ・オブ・ケメットザ・スマイルのドラマーであるトム・スキナーやサックス奏者のアラバスター・デプルーム、マーク・リボーとの仕事で知られるシャーザッド・イズマイリー、インヴィジブルのトム・ハーバートといった英米ジャズ畑の素晴らしいプレイヤーたちを起用。穏やかで空間のある意匠とフラジャイルな歌唱の穏やかん融合も素晴らしく、トリップ・ホップ時代を代表する声として君臨してきた孤高の存在感は健在だ。