ケミカル・ブラザーズやテリー・キャリアーとのコラボレーションでも知られるUKのシンガー・ソングライター、ベス・オートン。その彼女が、アンタイ移籍作『Sugaring Season』以来およそ4年ぶりとなるニュー・アルバム『Kidsticks』をリリースした。今回はファック・ボタンズのアンドリュー・ハングを共同プロデューサーに迎え、FKAツイッグスやジェイミーXXとも交流が深いデヴィッド・レンチにミキシングを任せている。こうした布陣の影響か、前作のフォーク/ブルースな色彩は減退し、なびやかなエレクトロニック・サウンドが際立つ仕上がりに。ハスキーかつ妖艶な主役のヴォーカルは躍動感に満ち、自身の新たな側面が見つかったことを喜んでいるようにも聴こえる。音の微細な変化でグルーヴを生み出す“Moon”などは、ベス流のインディー・ダンスとも言える曲でおもしろい。モロにアニマル・コレクティヴな“Snow”を聴いた時は、思わず笑ってしまいました。