
誰でも気軽に楽しめるLINE運営のライブ配信サービス〈LINE LIVE〉。そこで2022年の1年を通して最も活躍した/視聴者の支持を集めたライバー(ライブ配信者)を決める〈LINE LIVE AWARD 2022〉において、年間ランキング9位および部門賞〈ベストMUSICライバー賞〉を受賞したのが、UUUM所属クリエイターのYUSAKU(ゆさく)だ。
はじめしゃちょーに刺激を受けて動画クリエイターを志し、現在はLINE LIVEとYouTubeを中心に活動しているYUSAKU。自身のYouTubeチャンネル〈YUKKE HOUSE〉では、彼氏との等身大の日常を切り取った動画が評判を呼び、LGBTsをはじめ幅広い視聴者層からの支持を獲得。その一方でLINE LIVEでは、YUSAKU個人としてトークから歌まで自由気ままにライブ配信を行っており、2020年12月には初のオリジナル楽曲“Hope”を配信リリース、2021年には浜崎あゆみの楽曲も多く手がけるHΛLより楽曲提供を受け“it’s You world”を制作するなど、音楽活動も行っている。今回は〈ベストMUSICライバー賞〉の受賞を記念し、その幅広い活動について話を聞いた。
――YUSAKUさんは2019年11月からLINE LIVEを活用しているとのことですが、どんなきっかけで始めたのですか?
YUSAKU「事務所の方に薦められて始めたのですが、実は最初はあまりやる気はなかったんです(苦笑)。生配信で顔を出すことに抵抗があったので。なので最初は気分任せでやっていたのですが、続けていくなかで、LINE LIVEが日常の一部のようになっていきました。応援してくれるみんながいてこそ自分がいるような感覚だし、みんなのおかげでいろんなことを経験できているので、いまではLINE LIVEが〈YUSAKUという存在が生きる場所〉になっています」

――事前アンケートでは、ご自身の配信ジャンルについて〈カーニバル〉と回答されていましたね。
YUSAKU「配信ジャンルには〈歌〉や〈トーク〉などいろいろなものがありますが、自分は基本的に他の枠には収まらない色のものをやりたいと考えていて。今回のイベント(〈ベストMUSICライバー賞〉)の最終枠でも、〈エンターテイナーマドンナ麗子〉という女性のペルソナを使って配信を行っていましたが、自分の配信にはそれ以外にもさまざまなキャラクターが登場するんです。自分のことを〈エンターテイナー〉と言っているのですが、たくさんの方が応援してくださるからこそ、自分はそれに対して何を返せるのかを考えるなかで、自分の魅せ方を工夫していて。エンターテイメントを見せつけるようなショウを届けたくて、それを〈カーニバル〉と表現するのもおもしろいかなと思って回答しました(笑)」
――配信でさまざまなペルソナを使い分けているのは、みんなを楽しませたい気持ちの表れだったんですね。
YUSAKU「それにいろんな自分を作ることによって、そのときどきの感情や雰囲気、自分が伝えたいことを、キャラクターを通して届けられるというのもあります。例えば〈マドンナ麗子〉の場合は、これで勝負が決まる最終枠のタイミングだったので、絶対に勝つという気持ちを保つために〈強い女性〉を演じたくて。もちろんみんなに画面を観て楽しんでもらうことも大事にしていて、ひとつのショウとして考えてもらえたらと思います」

――それ以外にも、ライバー運動会を主催したり、他で活躍されているライバーさんとコラボを行ったりするなど、積極的に活動されている印象です。
YUSAKU「それこそ視聴者さんに楽しんでほしくていろんなことをやっているのですが、なぜそういうことをやるようになったかというと、学生時代の自分は目立たないタイプで、本当はそういうことを積極的にやりたかったけどできなかったんです。だから過去の自分にできなかったことをYUSAKUに託している部分があります」
――YUSAKUという存在自体が、本当の自分とはまた違うある種のペルソナでもあると。
YUSAKU「そうですね。自分の気持ちを背負ってくれている存在というか。それこそLINE LIVEを始めたての頃は、こんな活動を行うとは思ってもいなかったですし、自分は結構消極的な性格だったのが、だんだん積極的になっていったので、自分でも驚きです。今は〈一度きりの人生なので、いまできること、やりたいことをやろう〉をモットーに活動しているので」

――音楽活動に関しては、どのようなきっかけで取り組み始めたのでしょうか。
YUSAKU「自分はそんなに歌が上手くないので、そもそも自分の楽曲を作りたいと考えることも一切なかったのですが、YUSAKUではない自分自身は〈本当は歌いたい〉という気持ちがあって。それでやっぱりやらないと損だなと思って、1曲目のオリジナル楽曲“Hope”の制作権を賭けたイベントに思い切って参加したい気持ちを伝えたんです。そこからですね。自分はトークも上手くなくて、自分の気持ちを伝えるのが上手ではないので、それを楽曲で伝えようと思うようになって、歌うようになりました」
――歌のほうが自分の気持ちを伝えやすいという感覚があるんですね。
YUSAKU「はい。そのときどきによって変わりますが、〈今日はこの歌だな〉と思うことがあって。自分は小さい頃から浜崎あゆみさんの楽曲を聴いて生きてきたので、あゆの存在、あゆの歌に照らし合わせて、自分の気持ちを伝えているところがあります」
――確かに配信では浜崎さんの楽曲を多くカバーしている印象があります。YUSAKUさんにとって、浜崎あゆみとはどんな存在なのですか?
YUSAKU「自分は小さい頃から親元を離れて過ごしていたなかで、孤独や孤立を感じることが多くあって、生き甲斐を失って〈もう人生無理だな〉と思うことも何回かあったんです。そういうときに繰り返し聴いていたのがあゆの曲で、何か辛いことや寂しいことがあったときは、夜に一人で海に行って、あゆの楽曲を聴きながら気持ちを落ち着けていました。今回の〈ベストMUSICライバー賞〉でも、別のイベントで負けた経験がトラウマになって、一度は諦めて辞退する宣言をしたのですが、そんなときにあゆの楽曲を聴いて〈自分は何をやっているんだろう?〉と思って目が覚めたんです」
――そんな浜崎さんの楽曲のなかでも、特に思い入れのあるものを1曲選ぶとしたら?
YUSAKU「その質問、すごく難しいんですよ(笑)。でも、これはイベントが終わったときの最後にも歌った曲なのですが、やっぱり“MY ALL”ですかね。色んな想いが綴られた歌詞なのですが、やりきれなかったところ、辛くて諦めそうなときもあったけど、それでもやり通してみんなとここにいるよ、というメッセージがすごくいいなと思っています」
――ちなみに浜崎さん以外に好きなアーティストはいらっしゃいますか?
YUSAKU「SEKAI NO OWARIですね。Fukaseさんはめちゃくちゃ歌が上手いですし、すごい感性の持ち主じゃないですか。あの世界観がいいなと思っていて。これは今後もないと思いますけど、もし大きな場所でライブができるとしたら、セカオワみたいなセットを作ってド派手なライブをしたいなと思っています(笑)」

――まさにエンターテイメントですよね。少し話を戻して、ご自身のオリジナル楽曲についてのお話を聞かせてください。1曲目の“Hope”はどんなイメージで制作した楽曲だったのでしょうか。
YUSAKU「歌詞は自分で書いたのですが、この楽曲はみんなの応援もあって一緒に得たものなので、自分の人生というよりも、LINE LIVEで活動していくうえでの想いなどを書いた楽曲になります。逆に2曲目の“it’s You world”は、あゆにも楽曲提供しているHΛLさんに作っていただいた、自分に問いただすような楽曲になっています。曲名の〈Y〉の部分だけ大文字なのは、自分のことを指していて。歌詞は結構悩みましたが、自分の人生の一部と、架空の自分の理想図を混ぜて書いた感じですね。〈現実はそんなに甘くないけど、それでも必死に生きていくぞ〉というような気持ちを書いています」
――不安を振り切って前に進むような優しいメッセージ性は、YUSAKUさんと同世代の方や似た境遇の人たちの心にもきっと響くと思います。現状発表されているオリジナル楽曲はこの2曲のみですが(※取材は2022年11月に実施)、今後の音楽活動の予定は?
YUSAKU「いまは新曲を2曲制作していて、作詞をしているのですが、そのうちの1曲はデモ音源も歌詞も出来上がっていて、もうすぐレコーディングを行います。その楽曲は、これまでいろんな人との出会いや別れがあったなかで、みんなからの応援があるからこそ自分はがんばれているという希望を伝えると同時に、もし自分がいなくなったとしても、この歌を置いていくよ、というメッセージ・ソング的な内容になっています。要は自分もLINE LIVEをずっと続けられるわけではないので、もし自分がいなかったときのことを書いた、YUSAKUという人物の締め括りのような曲ですね」
――なかなかに意味深な楽曲になりそうです。もう1曲のほうは?
YUSAKU「こっちはすごく暗いです(笑)。それも自分を表しているのですが、枯れた花でももう一回満開に咲き誇りたい、というメッセージ・ソングになっています。要は自分もこうやって輝くことができたけど、やっぱり人は人気が出てもいつかは冷めてしまうものなので、それを花に例えて〈また満開の花を咲かせたい〉ということを書いていて。歌詞は自分の感性で書いているので、なかなか伝わらない部分もあると思いますが、音楽は聴く人の感情や気分によって受け取り方が変わってくるものだと思うので、それぞれで当てはめて楽しんでもらえたらと思っています。わかる人にはわかると思うので」
――発表を楽しみにしております。1月には初のワンマン・ライブも開催されましたが、その先の展望に関してはどのようにお考えでしょうか。
YUSAKU「特に考えていないですね。LINE LIVEを始めたときもそうだったのですが、自分は生きてきたなかで、先のことを決めて何かをやるということがなくて、本当に行き当たりばったりで生きてきたので、この先のヴィジョンというものはないんです。ただ〈いましかできないことをやる〉というのが自分の中で掲げているポリシーなので、それこそ音楽活動も未知の世界すぎてまだそこまでの勇気が沸いていませんが、続けていきたいです。やりたいことがあっても渋っていたら、ただ時が過ぎていくだけなので」
