(左上から時計回りに)川畑要、新井弘毅、PES

夢を叶えるライブ配信アプリLINE LIVE

数え切れないほどのプラットフォームやアプリが存在し、誰でも思い思いの自由な発信や配信がいつでも可能になった現在。近年はプロのアーティストやTVなどを主戦場にしていた芸能人も続々とYouTubeなどに参入しており、コロナ禍になってからその勢いは加速している。しかし、配信全盛時代にもっともおもしろいのは、やはりまだ磨かれていない原石のような才能が一瞬にしてスターになる瞬間をリアルタイムで目撃できること、時にはそれを応援したり、その過程に参加できたりすることだろう。〈夢を叶えるライブ配信アプリ〉と銘打たれたLINE LIVEは、まさにその中心的な現場だ。

LINEは、もはや日常に欠かせないコミュニケーションツールになった、国内で9,000万人(2021年12月末時点)が使うアプリだ。同アプリのライブ配信プラットフォームがLINE LIVEであり、2015年にサービスがスタートしてから多数のユーザーが利用している。人気アーティストやタレントの配信者も多く、オンライン打ち合わせにも使用できるなど、身近で親しみやすく、手軽で参加しやすい場として若者を中心に広がっていることは周知のとおり。

 

第一線で活躍するアーティストによる楽曲提供イベント

そんなLINE LIVEが定期的に開催しているのが、今回この記事で取り上げる〈楽曲提供イベント〉だ。

このイベントは毎回、J-Popシーンの第一線で活躍する著名なアーティストや作曲家が書き下ろす楽曲の提供権を懸けて、ライバー(配信者)たちが競い合うオーディション形式になっている。選考は予選と決勝からなっており、アプリ上で送られる〈応援ポイント〉の数が優勝者を決める。オーディションの様子はLINE LIVEのアプリで誰でも見ることができ、ユーザーも一体となってその過程に参加・体験できるのが大きな特徴だ。イベントの優勝者は、作曲者と録音や制作についての打ち合わせを行い、スタジオで本格的なレコーディングを行うことが通例になっている。

また、ミュージックビデオの出演オーディションも同様の形式で行われている。こちらも、合格者や審査員特別賞を受けた者は有名アーティストの楽曲のMVに出演できる、というものだ。さらに、MVだけでなく、雑誌や広告のモデル、大型フェスや地上波TV番組の出演など、イベントごとに結果が異なる多彩な企画が、LINE LIVEでは常に同時進行で開催されている。

 

CHEMISTRY川畑要やPESの曲を勝ち取った歌い手たち

今回ご紹介したい〈楽曲提供イベント〉では、すでに幅広いアーティストが参加し、魅力的な楽曲の数々と新たなスターたちを生んできた。

たとえば、2020年10月に開催された、PESの楽曲提供権を懸けたイベント。沖縄出身でブレイクダンスと歌を得意とするライバーのPei Chanが優勝し、2人は胸に迫るポップナンバー“すべてはI LOVE YOU”をともに作り上げた。ちなみに、Pei ChanはキマグレンのISEKIの楽曲提供イベントでも優勝しており、その際の“Stay Alive”でも見事な歌声を聴かせている。

Pei Chanの2021年のシングル“すべては I LOVE YOU”。プロデュース、作曲はPES

Pei Chanの2021年のシングル“Stay Alive”。プロデュース、作曲はISEKI(キマグレン)

同年12月の、CHEMISTRYの川畑要による楽曲提供イベントでは、〈歌ってみた〉でも有名な歌い手のNORISTRYが優勝。敬愛する川畑要がプロデュースした“DAWN”の壮大な世界を、力強く表情豊かなボーカルで表現してみせた。

NORISTRYの2021年のシングル“DAWN”。プロデュース、作曲は川畑要(CHEMISTRY)

2021年3月には、DISH//“猫”のプロデュースをはじめ、藍井エイルらのヒット曲の数々を手がける新井弘毅のオリジナルソングを懸けたイベントが開催。グランプリに輝いたのは、現役大学生のシンガーソングライター、來璃優花だった。新井の手になる“イロトリドリ”は目まぐるしい構成とアップテンポなリズムが特徴で、変幻自在の激しい展開をパワフルな歌唱力で乗りこなす來璃優花の凛とした歌が素晴らしい。

來璃優花の2021年のシングル“イロトリドリ”。作曲、アレンジ、プロデュースは新井弘毅