一昨年の前作『Drunk Tank Pink』が全英8位のヒットを記録し、着実に人気を上げつつあるサウス・ロンドンの5人組ロック・バンド。3作目となるこのニュー・アルバムは、U2やPJハーヴェイ、ナイン・インチ・ネイルズら数多くの大物アーティストを手掛けてきたフラッドをプロデューサーに迎えている。これまで同様に彼ららしいソリッドで研ぎ澄まされたポスト・パンク・サウンドが堪能できる一方で、今回はバンドの演奏を一発録りしたかのような、ラフでありながらも強烈で一体感のある音像が印象的。いままでになかったメロウなタイプの曲や、アナログ感たっぷりな温もりのあるサウンドも含めて過去最高に生々しい作品と言え、彼らのライヴ・バンドとしての魅力を最大限に活かした快作だ。