意外すぎるメロコア・サウンドを取り入れて日本語詞の強さをさらに凛と立たせてきた冒頭の“野良よ!”から自然と頬が緩む。歌謡曲とブルースの旨みが混ざったロードムービー的な味わいの“旅情”、メンデルスゾーン“結婚行進曲”を引用したイントロを経て泥臭いロックンロールへとまみれていく“とんがりブーツ”、シタールギターが沁みる“なななのか”など、既発曲は再ミックスで楽しめる約5年半ぶりのセカンド・アルバム。心地良い疾走感に乗せて青春の残像を容赦なく蘇らせる“へきれき”、得意のノスタルジーにシティ・ポップを掛け合わせたような“抗い”といった新曲もいい。ありのままを認めるこのシンプルな歌、3ピースの音、やるせなくも人懐っこいメロディーこそ台風クラブ!