ヤング・ドルフの軌跡と共に振り返るペーパー・ルート・エンパイアの作品

2歳でメンフィスに移ってきたシカゴ出身のドルフが、10年近い下積みを経て放った初のオリジナル作。マイク・ウィル・メイド・イットらとリンクしてドープなトラップを連発し、不遜なタイトルに相応しくいきなりヒップホップ・チャートでTOP10入りを果たした。

フィジカル化もされた15作目のミックステープ。初期から彼を支えるイジー・ザ・プロデューサーのドロリとしたビートを軸にしつつ、ミーゴスやウィズ・カリファ、リル・ヨッティら豪華ゲストを向こうに回して奮闘している。

100発もの発砲が報告されたシャーロットでの銃撃事件に対し、不敵な表題で無傷をアピールしたセカンド・アルバム。まさにそのことを歌う冒頭の“100 Shots”は無名時代から組んできた地元の重鎮DJスクイーキーだ。メトロ・ブーミン作の“In Charlotte”も強気。

前作から半年のスパンで届けられたサード・アルバム。DJスクイーキーやゼイトーヴェン、ドラマ・ボーイといった鉄壁の布陣で、“Go Get Sum Mo”には2チェインズとグッチ・メイン、タイ・ダラー・サインもフィーチャーしている。

濃厚だったアトランタ人脈によるカラーよりもスクイーキーやイジーによるメンフィス色が前に出て、オリジナルな帝国作法に昇華された感もある4作目。スヌープ・ドッグの客演も実現したほか、バンドプレイによるプラチナ・ヒット“Major”にはキー・グロックが初登場する。

“Major”の成功を受けて制作されたドルフとグロックの師弟タッグ・アルバム。大いに株を上げたバンドプレイがほぼ全曲のビートを手掛けることで、メンフィスの薫りもより高くなった感じか。2分台の曲をスルスル出し入れするポップな作りも奏功してか全米8位を記録した。

タッグ作の評判を受けて全米4位に輝いた生前最後のソロ作。バンドプレイの“Hold Up Hold Up Hold Up”を筆頭に不敵な語り口でロウに攻め、メーガン・ザ・スタリオンやGハーボをフィーチャーしたほか、地元の大物ジューシーJまで招くことに成功した。

ビーヴァス&バットヘッドを気取ったタッグ作の第2弾。バンドプレイを主軸にソーサ808やラミー・オン・ザ・ビートも起用し、短めのトラックで畳み掛ける作りは前作と変わらず。互いのソロ曲も増して個性を見せながら、これまた易々と全米8位を獲得している。

前年の初作『Yellow Tape』がスマッシュ・ヒットしたのに続き、PREの若大将としての地位を確立したセカンド・アルバム。ゲストに見せかけて自身の変名をあえてフィーチャーするなど、客演嫌いな姿勢も貫かれている。野太い魅力を発揮して全米7位を記録した。

ドルフの急逝を受けて数か月後に出されたEPサイズの追悼作品。グロックの“Proud”をはじめ、ビッグ・ムーチー・グレープの“In Dolph We Trust”、ジェイ・フィズル、ケニー・マネーらPRE軍団の面々がソロ曲を持ち寄り、ドルフ本人の“Love For Me”も収録。

前年に配信されたクルーのコンピ『PAPER ROUTE iLLUMINATi』でも出番を得てきたハイチ系ラッパーの初作。グッチ・メインの影響を窺わせるスタイルの持ち主で、グロックが駆けつけた“Breakdance”などブーミンで薄暗いトラップが不穏に轟く。