ケニー・ビーツの歩みを簡単に振り返る
コネチカット州はグリーンウィッチに生まれたケニー・ビーツ。高校の時に全米音楽教育協会の電子音楽コンクールに入選して音楽を志し、卒業後はNYに移ってインターンで働いたレーベルでスモークDZAにビートを提供。そこからボストンのバークリーに入学してジャズ・ギターなどを学び、学内で出会ったDJのライアン・マークスとラウドパックを結成する。これは当時のEDMブームに適応したデュオで、トラップやダブステップを作っていた。ケニーがヒップホップのフィールドを足場に頭角を表していくのはそのデュオ解消後だ。以降はトラップからブーンバップまでを引き出しに収めながらスキー・マスク・ザ・スランプ・ゴッドやデンゼル・カリー、ヴィンス・ステイプルズらとの密な仕事で名を馳せていく。近年はバンドのアイドルズを手掛けるなど、いわゆるビートメイクではないプロデュース業やマルチ・ミュージシャン的な役回りの仕事も増やしていて、『LOUIE』以降の飛躍もまた楽しみだ。 *轟ひろみ
左から、ベニー・シングスの2023年作『Young Hearts』(Sings)、デンゼル・カリーの2022年作『Melt My Eyez See Your Future』(Loma Vista)、ヴィンス・ステイプルズの2022年作『Ramona Park Broke My Heart』(Motown)、レミ・ウルフの2021年作『Juno』(Island)、スロウタイの2021年作『Tyron』(Method)、アイドルズの2021年作『Crawler』(Partisan)、kZmの2020年作『DISTORTION』(YENTOWN)、ヘッディ・ワンの2020年作『Edna』(Relentless)、ジョージの2020年作『Nectar』(88rising)、FKAツイッグスの2019年作『Magdalene』(Young)、エド・シーランの2019年作『No. 6 (Collaborations Project)』(Asylum)