ジャクソン・ブラウンのアルバム 『Jackson Browne』のリマスター版が本日9月22日にリリースされた。
〈70年代最高の詩人〉と評され、ローリング・ストーン誌が選ぶ史上最も偉大なソングライターの一人として知られるジャクソン・ブラウン。72年にメジャーデビューを果たしてから2022年に50周年を迎え、2023年3月には6年ぶりのジャパンツアーを開催、大盛況のうちに終了した。
そんな彼が72年に発表したデビューアルバム『Jackson Browne』(邦題:ジャクソン・ブラウン・ファースト)が、本人監修のリマスター版として180g重量盤LPとCD、デジタル配信の3形態でリリースされた。
ニコ、トム・ラッシュ、ニッティ・グリティ・ダート・バンドなど、数多くのアーティストが彼の曲をこぞってとりあげ、ジャクソン・ブラウンはデビュー前からその才能が注目されていた。本作は、彼がアサライムの創設者であるデイヴィッド・ゲフィンに認められ、満を持して72年1月に発表された、ジャクソンの記念すべきファーストアルバムだ。
ラス・カンケル、リー・スクラー、クレイグ・ダーギー、デイヴィッド・クロスビーといった超一流ミュージシャンによるアコースティックギターとピアノが中心のアコースティックなサウンドを基調にした本作。感受性豊かな言葉による奥深い歌詞を美しいメロディーに乗せた、誠実な説得力ある歌声で聴く者を魅了するジャクソンの本領が見事に発揮された、高い完成度を誇っている。ヒット曲“Doctor My Eyes”(全米8位)や名曲“Rock Me On The Water”ほかが収録されており、デビュー作にしてウェストコーストロックシーンを象徴するアルバムであると同時に、シンガーソングライターというスタイルを確立させた記念碑的作品でもある。
リリース当時のローリング・ストーン誌では、次のように絶賛されている。
たった一枚のアルバムによって、新人がレコーディングアーティストの第一線に躍り出ることなど滅多にない。ところが、長く待ち望まれていたジャクソン・ブラウンのデビューアルバムからは、『Astral Weeks』(ヴァン・モリソン)、『Gasoline Alley』(ロッド・スチュワート)、『After The Gold Rush』(ニール・ヤング)といったアルバムがそれぞれの作者に与えたのと同じだけの、堂々たる存在感が感じられるのだ。ジャクソン・ブラウンの感性は、最良の意味でロマンティックである。彼の曲は、全編にわたって非常に刺激的で人を惹きつける雰囲気を放ち、そして同じくらい重要なことだが、曲が終わった後も聴き手の心の中にその余韻を長く持続させる。聴き逃してはならない。――バド・スコッパ、ローリング・ストーン誌、1972年(RS103号)
今回、新たに登場する復刻盤は、ジャクソン・ブラウン本人の監修による最新リマスター音源を採用しており、ジャクソンのレーベル、インサイド・レコーディングスから全世界リリースされた。なお、デジタル配信については、ライノとのライセンス契約によりリリースされている。
180g重量盤LPとCDは、いずれも72年のオリジナルレコードを再現したパッケージで、歌詞付き。リマスターは、オリジナルのアナログマスターテープ音源からなされた。
なお、ジャクソン・ブラウンについては、歴史的盤である『Late For The Sky』(74年)と『Running On Empty』(77年)のリマスター版、2021年に発表した最新作『Downhill From Everywhere』が販売中。来日公演を見て感動した方も、そうでない方も、今回の再発盤とあわせてぜひ手に入れてほしい。Mikikiは来日時にインタビューをおこなったので、この機会に読んでもらえたら幸いだ。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2023年9月22日(金)
■180g重量盤仕様LP(完全生産限定盤)
品番:INR2210
価格:4,090円(税込)
■ソフトパック仕様CD(完全生産限定盤)
品番:INR2227
価格:2,690円(税込)
TRACKLIST
1. Jamaica Say You Will
2. A Child In These Hills
3. Song For Adam
4. Doctor My Eyes
5. From Silver lake
6. Something Fine
7. Under The Falling Sky
8. Looking Into You
9. Rock me On The Water
10. My Opening Farewell
PROFILE: JACKSON BROWNE
1948年、独ハイデルベルクに生まれ、米カリフォルニアにて育つ。68年にニッティ・グリッティー・ダート・バンドに参加後、米ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジでティム・バックリーやニコと活動。再びカリフォルニアに戻り、ザ・バーズとリンダ・ロンシュタットに曲を提供。その後、アサイラムと契約。72年のデビュー・アルバム『Jackson Browne』は高い評価を受け、シングル“Doctor My Eyes”はトップ10ヒットとなった。イーグルスのデビューヒット“Take It Easy”のソングライターでもあり、『Late For The Sky』(74年)、『The Pretender』(76年)、『Running On Empty』(77年)、初の全米1位を獲得した『Hold Out』(80年)など傑作・名作アルバムは数知れず、当時成熟期に入ろうとしていたロックシーンに於いてシンガーソングライターというスタイルを確立した。2021年の『Downhill From Everywhere』まで15作のオリジナルアルバムをリリース(ほか、ベスト盤、ライブアルバムなど多数)。人生に対する真摯な姿勢に裏打ちされた、詩情あふれる内性的な歌詞と繊細でメロディアスな歌の数々でローリング・ストーン誌から〈史上最も偉大なソングライター〉の一人に選出され、現在もアメリカを代表する偉大なるシンガーソングライターとして人々の心の奥深くにまで届く音楽を送り続ける。2004年、ロックの殿堂入り。2007年にはソングライターの殿堂入りも果たしている。2018年には世界平和、環境の調和、社会的正義への彼の才能を活かした長年に渡る多大な貢献に対して音楽家として初のガンジー・ピース・アワードが授与された。2021年3月には『Late For The Sky』がアメリカの国家保存重要録音登録制度に登録され、米議会図書館に文化遺産として永久保存されることになった。 2022年にメジャーデビュー50周年を迎え、2023年3月にジャパンツアーを開催。