BROTHERS
ジャクソン・ブラウンとセヴリン・ブラウン

JACKSON BROWNE 『Downhill From Everywhere』 Inside/ソニー(2021)

 Rolling Stone誌が選ぶ〈もっとも偉大なソングライター〉のひとり、70年代から真摯な作品を生み出して後進に絶大な影響力を発揮してきた偉大なシンガー・ソングライター、ジャクソン・ブラウンが実に7年ぶりとなるニュー・アルバム『Downhill From Everywhere』をリリースした。前作にあたる『Standing In The Breach』(2014年)リリース以降、彼の住まうアメリカではさまざまな分断、コロナ禍など差し迫った問題に瀕してきたわけだが、今回は表題に〈あらゆるところから下り坂〉と謳うように社会/世界/地球が直面する多様な危機に対してシンプルなメッセージを発している。もちろんアメリカン・ロック~カントリーの王道を行く骨太なサウンドとタフな歌唱が素晴らしいのは言うまでもない。フラメンコ調で送るラストの“A Song For Barcelona”も非常に印象的だ。

SEVERIN BROWNE 『Overdue』 ヴィヴィド(2021)

 なお、奇しくも同時期にはジャクソンの実弟セヴリン・ブラウンも久しぶりのアルバム『Overdue』をリリース。いわゆる風格の面で比べる必要もなく、ソウル寄りのメロウな作風は変わらず健在で嬉しくなる人も多いことだろう。