インタビュー

BLACK STROBE 『Godforsaken Roads』

漆黒の闇を彷徨うなかで見つけ出した、〈ロックンロール〉という道標。ギラギラと男汁を撒き散らし、ますます妖しく、ますます肉体的に!

BLACK STROBE 『Godforsaken Roads』

 ブラック・ストロボ(以下BS)が7年ぶりのニュー・アルバム『Godforsaken Roads』を完成させた。もともとフレンチ・エレクトロの流れから“Me And Madonna”などで人気を博した彼らだが、エレクトロ・ハウス界の最重要DJの一人でもあるイヴァン・スマッグが、2007年の初作『Burn Your Own Church』を前に事実上離脱。BSはアルノー・レボティーニを中心とするユニット、いや、バンドに変貌したのだ。アルノーのソロ活動なども経て登場した今回のアルバムは、〈ゴシック・テクノ〉とか〈ロックっぽい〉という次元を越え、完全なるロックンロール盤に。しかも、先行EP『Broken Phone Blues』にてヴォーカル&ギターのみでエルヴィス・プレスリー曲をカヴァーしたことからも窺えるように、伝統的なロックンロールに敬意を表しているのである。

BLACK STROBE Godforsaken Roads Blackstrobe/Pヴァイン(2014)

 「この新作はとてもギター寄りだ。というより、むしろ前作がギター寄りじゃなかったと言ったほうが正しいかもしれない。前作ではたくさんのシンセ類を使っていたからね。そうだな、俺はいつも〈トラック〉ではなくて〈曲〉を作りたいと心から思っているんだよ」(アルノー:以下同)。

 簡単に収録曲の一部を紹介すると、シングルの“Going Back Home”はベースメント・ジャックス“Fly Life”の輪郭をなぞったような電子音に、リズムマシーンのチキチキしたビート、ワイルドなギター、アルノーのズル剥けな歌が絡みつく、〈メンフィスのスーサイド〉と言った雰囲気。また、デッド・オア・アライヴ“You Spin Me Round(Like A Record)”の化粧っ気をゼロにして男エキスを特盛りにしたみたいな“From The Gutter”や、それこそプレスリーがエレクトロ・ビートの上でエレキをギャンギャン鳴らしながら腰をシェイクしている画が浮かぶ“Dumped Boogie”“Swamp Fever”など、ヒネリの効いたナンバーが次々と飛び出してくる。

「俺たちはさまざまな種類の音楽を聴くんだ。曲のアイデアはあらゆる方向からやって来る。そうしたアイデアをたくさん集めて、それらが共存し、結びつくように組み立てていくのさ。バイユー・ブギーからブルースにカントリー、時にはディスコでさえもね。だって、ブギーもディスコも同じようなもんだろ?」。

 そうは言うものの、「俺にとってテクノは最後の大きな音楽革命だと思っていて、俺はそれらの音楽を愛しているし、それらは絶大な力を持っていると信じている。オーディエンスが積極性のない〈群れ〉のように見えることを除いてはね」と語るアルノー。彼の言葉通り、グループの根っこにはいまもテクノがあるので、従来のファンも気後れせずに本作をチェックしてもらいたい。そんなBSのめざすサウンドとは?

ブラック・キーズが現代のブルースを具現化してみせたけど、彼らは真にリヴァイヴァリストというわけじゃないと思うんだ。BSはエレクトロ路線でそういったルーツとシンセ・サウンドを融合するのがベターだと思っている。デペッシュ・モードがまさにそうしたようにね」。

 つまるところ、『Godforsaken Roads』で描かれたテクノ経由の特濃ドス黒ロックンロールは、懐かしくも刺激的でとてつもなくヤバイのです!

【参考動画】ブラック・ストロボ『Godforsaken Roads』収録曲“Folsom Prison Blues”
パフォーマンス映像
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