新作『Godforsaken Roads』へと続く7年間のロード 

ARNAUD REBOTINI 『Music Components』 Citizen(2008)

イヴァン・スマッグとのコンビ解消を経て、BSの初作とほぼ同時進行で作ったという初のソロ・アルバム。本隊のエロティックでゴシックなねっとりエレクトロの芳香を漂わせつつも、トリッピーかつストイックな面が表出し、テクノ色の濃い一枚に。男気が炸裂!

 

浜崎あゆみ 『ayu-mi-x 6 -SILVER-』 avex trax(2008)

国内外のとんでもなく豪華なメンツを揃えるリミックス・シリーズに、カール・クレイグやDAISHI DANCEと並んでBSも参戦。マイナー・コードのシンセがけたたましく鳴るダーク・エレクトロで、“About You”を覆い尽くしてみせた。

 

ARNAUD REBOTINI 『Music Components Rev 1 & 2』 Citizen(2009)

上掲の初作と、人気アクトによるそのリミックス集をセットにした2枚組。ジェスパー・ダールバックの直球エレクトロも良いが、まるでアーサー・ラッセルが乗り移ったかの如きストリングスで幽玄に味付けしたサムシング・ア・ラ・モードの仕事が圧巻だ。

 

MAJEURE 『Timespan』 Temporary Residence(2010)

ピッツバーグのインスト・ジャム・ユニット、ゾンビの片割れによるソロ作。ここで“The Dresden Codex”のリミックスを任されたアルノーは、ニューエイジ的な13分超えの原曲をさらに拡張した暗黒宇宙絵巻を展開している。

 

ARNAUD REBOTINI 『Someone Gave Me Religion』 Blackstrobe/!K7(2011)

眩いばかりの電子音が降り注ぐ長尺音響トラックで幕を開けるソロ第2弾は、自身で立ち上げたレーベルより発信。ディスコに傾倒した内容はパッと聴きこそユルい印象だが、ゆらゆらと浮遊するシンセと全体を支配する妖しいトーンに、気付けば意識を持って行かれる魔境盤だ。

 

THE PENELOPES 『Never Live Another Yesterday』 Pour Le Monde(2009)

ネオアコmeetsエレポップなデュオがリリースした現時点での最新作では、BSのドラマーであるベンジャミン・ボーリューが全面サポート。軽快なスティック捌きで、同ユニットの爽やかさをいっそう引き立てている。

 

IKE YARD 『Remixed』 Desire(2014)

現行インダストリアル/ダークウェイヴにも影響を及ぼすポスト・パンクの伝説のリミックス集。その系譜とも密接にリンクするアルノーとの相性はドハマリで、“Cherish 8”を華麗なる疾走ゴス・テクノへとリアレンジ! 

 

ARNAUD REBOTINI 『Eastern Boys』 Blackstrobe/!K7(2014)

アルノーが手掛けた本サントラは、主に弦/管楽器を使用したクラシカルかつ叙情性に溢れる内容で、重厚なテクノやデトロイティッシュなトラックも聴きどころだ。彼が優れたコンポーザーであることを再確認できる。