映画「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」が2024年5月に公開される。
日本のロック・ポップスの黎明期から時代を先取りした革新性や音楽性で、今なお世代を超えて多くの人々に影響を与えている不世出の音楽家、加藤和彦。彼の軌跡を追った初の音楽ドキュメンタリー映画「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」が完成した。
本作は、高橋幸宏が加藤和彦に寄せた想いから映画化の企画が立ち上がった作品だという。日本初のミリオンヒットを生んだザ・フォーク・クルセダーズの結成秘話、サディスティック・ミカ・バンドの海外公演やレコーディング風景などを交えた貴重映像に加えて、日本のポップスの金字塔とも言える〈ヨーロッパ3部作〉に隠された逸話などが明かされるそうだ。そして、不朽の名作“あの素晴しい愛をもう一度”を新たにレコーディングし、様々なジャンルのミュージシャンによって紡がれ進化しつづける曲の姿がスクリーンに映し出されているという。
映画の企画・監督・プロデュースは、「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」(2018年)と「音響ハウス Melody-Go-Round」(2020年)を手がけた相原裕美が務めた。
本作は、東京・有楽町のTOHOシネマズ シャンテほかで5月から全国順次公開される。公開の決定を記念して、ティザービジュアルが解禁された。
伝説的なバンドやソロアーティストとしての活動で名曲・名作の数々を遺し、日本のポップミュージック史に多大な影響を及ぼしながらも、2009年に62歳の若さで亡くなった加藤和彦。彼のドキュメンタリー映画がどんな作品に仕上がっているのか、公開が楽しみでならない。
MOVIE INFORMATION
トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代
企画・構成・監督・プロデュース:相原裕美
出演:加藤和彦/きたやまおさむ/松山猛/朝妻一郎/新田和長/つのだ☆ひろ/高橋幸宏/小原礼/今井裕/高中正義/クリス・トーマス/泉谷しげる/坂崎幸之助/吉田拓郎/松任谷正隆/坂本龍一/コシノジュンコ ほか(順不同、アーカイブ含む)
製作:「トノバン」製作委員会
配給:ナカチカピクチャーズ
2024年/カラー/5.1ch/DCP/ビスタサイズ/118分
©「トノバン」製作委員会
2024年5月、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
オフィシャルサイト:https://tonoban-movie.jp/
PROFILE: 加藤和彦
1947年、京都生まれ。ザ・フォーク・クルセダーズの“帰って来たヨッパライ”でプロデビュー。日本のロックバンドで世界進出を果たしたサディスティック・ミカ・バンドを経てソロ、作曲家、プロデューサーとして活躍する他、映画「だいじょうぶマイ・フレンド」(83年)をはじめとした映画音楽、歌舞伎で初めてオーケストラを取り入れた〈スーパー歌舞伎〉、サディスティック・ミカ・バンドやザ・フォーク・クルセダーズの再結成、坂崎幸之助とのユニット〈和幸〉〈VITAMIN-Q〉結成などで精力的に活動した。2009年11月死去。享年62。
PROFILE: 相原裕美
コネクツ合同会社代表・プロデューサー・映画監督。60年生まれ、神奈川県出身。ビクタースタジオでレコーディングエンジニアを経験した後、84年、ビクター音楽産業(現ビクターエンタテインメント)ビデオソフト制作室に異動、制作ディレクターとなる。オリジナルビデオの企画編成のかたわら、ミュージックビデオの黎明期と重なった時期に同社のアーティストのミュージックビデオを演出・プロデュースなどで数多く手がける。主なアーティストはサザンオールスターズ(メンバーのソロも含む)、ARB、Cocco、頭脳警察、マルコシアスバンプ、永瀬正敏、斉藤和義など多数。その仕事の中で当時新人だった岩井俊二や下山天ら映画監督を見出した。2003年、プロデュースした桑田佳祐“東京”(演出:信藤三雄 脚本:リリー・フランキー)がSPACE SHOWER MUSIC AWARDSでVIDEO OF THE YEARを受賞。2004年、同社映像制作部を設立し同部部長を務め、お笑いレーベル〈コンテンツリーグ〉の設立や映画に参入する。主な製作・プロデュース映画作品は熊切和嘉監督「青春★金属バッド」(2006年)、タナダユキ監督「赤い文化住宅の初子」(2007年)、三木聡監督「図鑑に載ってない虫」(2007年)。2009年に同社を退社後、2010年にコネクツ合同会社を設立。2018年、初監督作「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」を公開。2020年11月より銀座の老舗レコーディングスタジオを題材にした監督2作目「音響ハウス Melody-Go-Round」を公開。シティポップの再評価とともに話題になり、約1年間の全国ロングラン上映される。加藤和彦のドキュメンタリー映画「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」は約4年間の取材・制作期間を経て2024年5月に公開される。