話題を集めるシンガー、SAKUraが本誌初登場! 13歳の素顔に迫る!!

 2021年2月。おじさんシェフが踊るポップな映像と共に、キュートでコケティッシュな歌声が、SNSで話題を呼び、シティ・ポップ・ファンをざわつかせた。その楽曲“漕ぎ出せ♪ショコラティエ~これって恋ですか?~”を歌う少女は、現在13歳のバイリンガル・シンガー、SAKUra。そして作編曲とプロデュースを手掛けているのは、80年代アイドル・ポップスの名手である作編曲家の山川恵津子。そんなSAKUraによるニュー・シングル“姫ならいいじゃん~百花繚乱~”が、5月22日より配信されている。まだメディア露出がほとんどないSAKUraにインタビューを敢行。デビュー以来、一貫してプロデュースに関わる山川同席のもと、彼女のポップセンスの秘密を探る。

SAKUra 『姫ならいいじゃん~百花繚乱~』 Honeysuckle(2024)

 

ワンちゃんを連れたえっちゃんがいて

――SAKUraさんがシンガーになろうと思ったきっかけから伺えますか。

SAKUra「4歳ぐらいから歌いはじめていて、父がサカナクションやゲスの極み乙女を好きだったので聴いたりはしていたんですが、そこまで音楽を真剣には考えていなかったです。でも8歳の頃、お母さんに歌手になることを勧められて、次第に本気で〈やってみようかな〉と思うようになりました。その頃好んで聴いていた音楽はサンボマスター、Zeebra、キリンジ、あとユニコーンの“大迷惑”も好きでした。同時にボカロにもハマりはじめて、〈これに似た曲ない?〉なんて父に訊いたり。ただ、自分が歌うにあたってイメージしたシンガーは、YOASOBIの幾多りらさんです。あとは母がシンガー・ソングライターだったので、母のこともイメージしました」

――山川恵津子さんとはどのように出会ったのでしょうか。

SAKUra「母の知り合いだったんです。お母さんのお知り合いの会社でお花見があったとき、そこにワンちゃんを連れたえっちゃん……あ、山川さんがいて……」

山川恵津子「えっちゃんでいいよ(笑)」

SAKUra「その、えっちゃんのワンちゃんと遊んだのが最初の記憶です」

――映像クリエイターであるお父さまの作ったPV用の楽曲で歌ったのが、デビューのきっかけだそうですね。それが、山川さんが作編曲を手掛けた2021年の“漕ぎだせ♪ショコラティエ~これって恋ですか?~”。

山川「大阪の阪急百貨店の催事で、バレンタイン向けにいろんなお店が出店するなかで、渋谷PARCOにあるタイ料理のお店も出ることになり、そこのシェフが出演するPVも作ることになったそうなんです。SAKUraちゃんのお父さんとシェフがお友達で、〈宣伝用の映像を作りたいから、そこに流れる歌を作ってほしい〉と私に依頼がありました。最初は1分ぐらいのPVという話で、〈音はシティ・ポップ〉というオーダーでした。さらに〈PVを撮るにあたり、シェフにダンスをしてもらうので、曲のテンポを教えてくれ〉と。でも、まだ曲を書いてないので、じゃあBPM120ぐらいね、と先にテンポだけ決めて(笑)。私も、せっかくだからフルで曲を作ることにして、まだ歌う人が決まってなかったから、女の子にアイドル・ポップスのキラキラした感じを歌ってほしいなと思い、〈SAKUraちゃんに歌ってもらおう〉となったんです」