2024年に復活したTHE YELLOW MONKEY。4月27日の東京ドーム公演を皮切りに、5月29日に10枚目のアルバム『Sparkle X』をリリースし、新たな一歩を踏み出した。これを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ THE YELLOW MONKEY 特別号」を発行! ここでは中面に掲載された、復活の〈第2章〉となる『Sparkle X』について5月10日に最速試聴会&合同メディアインタビューでメンバーが語ったことと、アルバムの全曲解説を掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です! *TOWER PLUS+編集部

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THE YELLOW MONKEY 『Sparkle X』 Atlantic/ワーナー(2024)

 

もう一度輝き、未知のものへ進む――メンバーが語ったこと

THE YELLOW MONKEYから10作目のオリジナルアルバム『Sparkle X』が届けられた。前作『9999』(〈再集結後〉最初のアルバム)以来、約4年ぶりとなる本作には、2024年1月に配信された“ホテルニュートリノ”、4月27日に行われた東京ドーム公演でも演奏された“SHINE ON”“ソナタの暗闇”、会場でイメージビデオが映された“復活の日”を含む全11曲が収録されている。

吉井和哉「東京ドーム(公演)のタイトルが〈SHINE ON〉だったので、(アルバムのタイトルも)どうしても連動していた部分があって。〈もう1回輝く〉みたいなものがキーワードとしてあって、〈Sparkle〉というワードが出てきたんですよね。〈X〉には10という意味もあるし、未確認、未知のものという意味もあって。これから我々は未知のものに向かって進んでいくということで、このタイトルを付けました」

アルバム『Sparkle X』の基調となっているのは、オーセンティックなロックミュージックだ。メンバーのルーツである1970年代を中心としたハードロック、ロックンロールを軸にした音楽性は、決して懐古的なものではなく、〈今〉の表現として打ち立てられている。それこそが本作『Sparkle X』の核なのだと思う。

吉井和哉「今これ?と思いますよね(笑)。けっこうベタなところだったり、今までやってそうでやってなかったロックンロールの部分をあえてやってみようという感じもあって。(喉の病気のため)僕が声を出せない状態が長く続いていたし、ドームの日にちと、それに紐づいたアルバムのリリースが決まっているというスケジュールのなかで〈得意なものしか出せない。実験作とか作ってる場合じゃない〉というか。なのでベタなロックンロールに縋った部分はありましたね。あとはメンバーの演奏で華やかにしてもらえばいいかなと」

廣瀬洋一「自分たちの立ち位置だったり、ドームでライブをやった後に出るアルバムということもあっての原点回帰なのかなと。アルバムには〈ありそうでなかった〉という曲も入ってるんですが、やっぱりTHE YELLOW MONKEYっぽいねという作品になったと思います」

2023年10月に吉井は、喉の病気の治療を行っていたことを公表。その経験はもちろん、本作の作風にも大きな影響を与えている。それを象徴しているのが、“ホテルニュートリノ”における〈人生の7割は予告編で/残りの命 数えた時に本編が始まる〉という一節だろう。

吉井和哉「病気になったことは、改めて〈命っていつまでもあるもんじゃないんだな〉と痛感させられた出来事で。同時にすごく背筋が伸びたんですよね。40代を越えてくるとロックスピリッツをキープするのはなかなか難しくて、惰性でやってしまう部分もあって。でも、病気になったことで〈命〉〈生きる〉ということを……そういうことを僕は真正面から歌ってこなかったんですよ。でも、聴いてくださる人のなかにも同じような状況の人もいると思うし、必然的にそういう要素が歌詞のなかにも入ってきて」

菊地英昭「せっかく再集結したけど、時間は限られているんだなと再認識させられたし、そのことによってバンドのパワーも強くなった気がします。バンドを続けられるかわからない状況もあったので、レコーディングできることになって、音を出せる喜びを改めて感じていました」

吉井和哉「ライブを続けるためにも、アルバムは作り続けていかないといけない」

と既に未来を見据えている彼ら。アルバム『Sparkle X』はTHE YELLOW MONKEYの新たな栄光のはじまりとなる。本作を聴けば、誰もがそのことを確信するだろう。