今なお高い評価を得る2ndアルバムのリリースから早3年。米・名門レーベル〈Dead Oceans〉移籍後第1弾リリースとなる本作は、さらに多彩なメロディを奏でる傑作となりました。彼女のストーリーテリングから始まり、アンビエントサウンドと清廉な歌声が映える“Betelgeuse”~“Omakase”の流れでは今までにない手法を凝らしたことが伺えます。最後のトラック“Hayley”はヴァイオリンとストリングスのみで締め方まで素晴らしい。前作以上に神秘的でメランコリック、今までに感じたことがない陶酔感を覚える1枚です。

石田真生(TOWER VINYL 梅田店)
intoxicate 2024 August

 


幅広いサウンド・パレットを使うことをテーマにNYのシンガー・ソングライターが作り上げたサード・アルバム。聴き手の耳元で歌っているような歌声に1曲目から、はっとさせられる。冒頭に書いた意味では、アンビエント・フォークに90sオルタナやアメリカーナ、さらにはジャズが加わった印象だが、ストイックな音作りと共に全編でクール・ビューティーぶりを見せつける。