ソロ・デビュー20年の節目で届いた通算5作目。ここ数年で改めてヒップホップ〜レゲエ路線の曲を出したり、五輪絡みでアンダーソン・パークとのコラボなどもあったが、今回は夫のブレイク・シェルトンと共演した“Purple Irises”路線の楽曲で固められている。全編をブレイクと同じスコット・ヘンドリックスが制作しつつ、そうした布陣やジャケの雰囲気に反して実態はカントリー作品ではなく、70〜80年代テイストのポップ・ロックが満載。ふとシンディ・ローパーを思い出す冒頭の“Somebody Else’s”から気を衒わないストレートなポップさが清々しい。進歩的だった彼女が伝統的な側面を強調した意欲作だ。