転んでも全身全霊で走り続ける6人が、熱いメッセージの込められた今年最初のシングルをリリース! 生きて、息して生き続けて、生きて帰るまでがPIGGS!

 インディーに活動拠点を戻し、コンスタントにリリースを続けながら熱いライヴを重ねて2024年も駆け抜けたPIGGS。年明け早々には結成時から続けてきた共同生活の解消も発表されて生活環境も一変するなか、2025年最初のリリースとなるニュー・シングル『生きて帰る、ばっか。』が登場しました。真摯なメッセージをサウンド・プロデューサーのRyan.B(ブライアン新世界)が前向きに表現した2曲が並んでいます。

PIGGS 『生きて帰る、ばっか。』 プープーランド(2025)

 

PIGGSらしさとは

――去年はメジャーを離れたり、大きな動きのあった年でしたね。

BIBI「私が加入する前に観てたPIGGSっていうのは、いろいろ大変なことをしながらギュッて一体感のあるイメージで、そういう昔の映像とかを観てちょっと羨ましく感じることもあったので。いまのほうが〈これがPIGGSだ!〉みたいに感じる瞬間はあるかもしれないです。活動自体に変化はあまりなかったんですけど、自分が観てきたPIGGSに近付けた1年だったなって思います」

KINCHAN「だいたい1年を振り返ると、〈あの時期はグループにとって大変だったな〉みたいなことが毎年あるんですけど、去年はそうじゃなくて。もちろんプーちゃんやMETTY(共同プロデューサー)さんは大変だったと思うし、メンバーにとっても大きいことではあったんですけど、私たちがやることに大きな変化はなかったので。慎重に、でも着実に歩んできた1年だったイメージです。徐々に新しいお客さんも増えてるなって感じました」

プー・ルイ

プー・ルイ「PIGGSというものがどういうものなのか、運営チーム的には凄く考えた1年でしたね。今後いつどんなチャンスが来ても軸がブレない自分たちでいようっていうのをテーマに運営していました。あとはBiSの解散10周年っていう大きいトピックもあって、もともとプー・ルイやPIGGSという名前を知ってた人がライヴに来てくれる機会も増えた気がします。それって元を辿るとWACKがずっとがんばってくださってて、もともとそこにいた私を知ってる人がPIGGSを観て好きになってくれた感じで。もちろんそれは嬉しいんですけど、全然違う界隈というか、〈WACK〉や〈プー・ルイ〉、大きく言えば〈アイドル〉を知らない人たちにも届くような活動をしなきゃいけないなっていうのが、2025年の課題ですね」

――環境の変化で言うと、年始には共同生活の解消を発表されました。

プー「それこそメジャーの時から〈もう共同生活する必要あるんだっけ?〉っていう議題はあって。で、去年の1月に一緒に住んでるから全員インフルに罹ってツアーが延期になったりもして、それぐらいから改めて考えはじめた感じでした。あとは普通に、もうそこに頼らなくてもPIGGSらしさは出せるし、出していかなきゃいけないし、それができるようにがんばろうという前向きな気持ちですね」

――実際に離れてみてどうですか。

SU-RING「私は実家に戻って家族にめっちゃ甘えてる部分はあるんですけど、共同生活してた時もみんなに甘えていたところがあったなって解消してから気付いて。だから、一人一人が自立しなくちゃいけないって思いながら過ごしています」

BAN-BAN「PIGGSが始まった頃から共同生活してたから、それが特別なことだとは思ってなかったんですけど。やっぱり一緒に住んでると、変化をお互いに見過ごさずにいられたり、誰かが悩んでる時にすぐ話せたりして、私もそうやってきてもらったので。一緒に住んでなくてもそうやってコミュニケーションを取っていけるように、しっかりしたいです」

――同居したい!という声はなかった?

プー「それはないけど、みんな最初は不安だって言ってました。何ならSHELLMEがいちばん不安がってたよね」

SHELLME

――意外ですね。

SHELLME「まあまあまあ、単純に私が環境の変化に弱いタイプなんで(笑)。5年ぐらい一緒に住んでたのがガラッと変わって、自分でも大丈夫かな?みたいな。私、けっこう人としてPIGGSで成長させられたみたいなとこがあるんで(笑)、〈またぶっ壊れちゃわないかな〉みたいな心配はあったけど、そろそろ私もしっかりしないといけないし。別に喋りたければLINEすればいいし、泊まりに行けばいいし、きっと良い方向に行くだろうって思おうっていう感じです」

――それと並行してBAN-BANさんは卒論で大変そうな様子ですけれども。

BAN「あとちょっとです。ちゃんと寝坊せず発表に行って、締切を守って提出すれば」

SHELL「頼むぜ」

BAN「オーディションの時にちゃんと卒業するってプーちゃんに話して入らせてもらったから」

――もう5年もプロフィールに東大生って書いてありますからね(笑)。

BAN「次はもう変わってると思います」

プー「卒業生になってるはず」

BAN「でも、〈卒業式が3月のこの日なんだ〉って言ったらSHELLMEが喜んでました」

SHELL「違います。プレッシャーをかけてます。〈行くから卒業しろよ〉って」

――卒業式には行くんですね(笑)。

BAN「嬉しいです」

 

BAN-BAN

生きる気で生きる

――そうやって始まった2025年、最初のシングルは『生きて帰る、ばっか。』という2曲が繋がった表記になりますが、今回はどういうテーマなんでしょう?

プー「“生きて帰る、”に関しては、ライヴを意識して盛り上がる曲を作りましたね。“ばっか。”は“とらえる”の続編なんですけど、METTYの家で打ち合わせした帰りにRyanとぶーちゃんズ(PIGGSファンの総称)への気持ちとかを話して、それを受けて書いてくれました。状況が厳しい時期でも私たちは“とらえる”で〈全身全霊っていつも報われないことある〉って歌ってたけど、それをどんな気持ちで歌っていたのかも考えたって言ってましたね。でも、両方とも明るい曲になったと思います」

――まず、“生きて帰る、”はすでに披露されているキャッチーな曲ですね。

KIN「今回の振付けは(カミヤ)サキさんに監修していただいてSHELLさんとSUが作ったんですけど、ぶーちゃんズも凄く踊ってくれて、ライヴでやるのが凄く楽しい曲です。あと、歌詞が好きで、〈死ぬ気でやれ〉ってよく言うけど、〈生きる気でやったれ!〉ってめっちゃ良いなって。確かに死ぬ気でやって死んだら元も子もないし、生きる気で覚悟を持ってやれよっていうメッセージを、明るくみんなで楽しく踊る曲で伝えてるのが好きです」

BIBI「自分的に〈生きて帰る〉っていう言葉を明るく捉えることが難しくて、レコーディングの時はけっこう深刻な感じで歌っちゃって、Ryanさんに〈もっと明るく〉って何回も録り直していただきました。そのなかで共有していただいたRyanさんの曲解説に〈プロレスラーは生きて帰る気持ちでリングに上がる〉みたいな話があって、やっぱり生きる道があるのにわざわざ死ぬのを想定してやる必要はなくて、そもそも生きる前提のなかでどれだけ全力でやれるかが大切なのを再確認したし、明るい気持ちでやったほうが自分の未来にとっても良いことがたくさんあるなって。SUが付けてくれた心臓を叩く振りがあるんですけど、みんなの心臓が止まりそうなら自分が叩きたいし、そうやってぶーちゃんズに向けても〈一緒に生きていこう〉みたいな気持ちでやりたいなと思っています」

――今回お二人に振付けを任せた意図はあったんでしょうか。

プー「曲の意味的にメンバーが作ったほうが良いかなって思ったし、作ることによって曲への意識が違ってくるっていうか、別に作ってない人もそうですけど、自分のグループだっていう意識がさらに高まればいいなと思ってて。SHELLMEは前にも“クマンバチの独白”とか何曲か作ってたし、SUは加入前からいろんなアイドルのダンスを真似て自分で踊ったりしてたって言ってたので、できるかなと思って頼んでみました。で、2人とも良いところが違ったから、だいたい採用するパートを決めてからサキちゃんに仕上げてもらったので、ほぼ2人の振りが使われています」

――SU-RINGさんは初挑戦ですよね?

SU「初めてです。私は、振入れで振りの意味を教えていただく時に、どんどん謎が解けて振りに込められた意味が鮮明になっていくのが凄く好きなんです。だから、それを自分がやるのはまた違う責任感があったんですけど、いままで教わったことも思い出しながら考えてたら、振りがひとつひとつ頭のなかで浮かんで、それを身体で表現して……みたいに、凄く楽しみながら作れました。自分とSHELLさんが作った振りでみんなが踊ってくれるのが、不思議な気持ちもあるけど凄く嬉しい。初めての気持ちです」

KINCHAN

――個人的な見どころはどこですか?

SU「好きなのは、やっぱりサビです。さっきBIBIも言ってくれた、心臓を叩いてる振付けなんですけど。で、つらくて心がもう無理になっても、心臓はいつでも動いてるし、心臓をこうやって叩けば自分が生きてるのを実感するし、誰でもそうだと思うから、ライヴに来てくれた人にも〈一緒に生きてるんだよ〉〈一緒にがんばろう〉って。明るく歌ってるからグッとくる曲だし、明るく飛ばせるような振付けを考えました」

プー「大まかに言うと、みんなで一緒にやる系のところはSUの振りが多くて、それ以外のAメロとか見せるダンスっぽいところがSHELLME、物語っぽくなってるところがサキちゃんっていう感じですね」

――SHELLMEさんは何年か前に〈振付けをがんばる〉みたいに話されていた気がします。

SHELL「言ってたと思います。でも、ちょっと心折れたっていうか。意味のある振付けを作るのって凄く難しいし、やっぱりサキさんやUFOさんの振付けがカッコイイなと思って、挑戦しなくなってました。自分は〈付けていただいた振りを自分のものにして、それをステージで出すことを一生懸命やればいい〉みたいに思ってたし、メンバーも技術的なことを訊いてくれるから、良くも悪くもそこで満足しちゃってたとこもあって。今回は久しぶりにプーちゃんから提案してもらって凄く悩んだけど、やっぱり自分もダンス好きだし、そういうところもがんばれたほうがカッコイイよなって素直に思ったから、振付けを作りながらいろんなことも思い出したりしました。それで、この曲をお披露目した時に、こんなに喜んでもらえるって思ってなくて、ぶーちゃんズに〈ずっと待ってたよ〉みたいに言ってもらえて嬉しかったし、申し訳ないなと思って。さっきプーちゃんが言った〈曲に対する気持ちが違ってくる〉っていうことが改めてわかりました(笑)」

 

BIBI

やりたいことを叶えていく

――一方、もう1曲の“ばっか。”は、さっきのお話によると、“とらえる”の続編という位置付けなんですね。

BAN「これはPIGGSをやってきたから歌える歌です。例えば私が加入して最初にこの曲を貰っても歌えなかったというか」

――いままでの積み重ねがなければ歌えないという。

BAN「はい。これまでやってきた経験で、心がきっとみんな確実に膨らんでいるから。私は言葉とか歌とかダンスって心の一部だと思ってて、心の全部は見えないけど、もっと自分の心を表現して伝えられるようになりたいし、心の見える部分や伝えられる部分をもっと出したいって凄く感じた曲でした」

KIN「“とらえる”って〈全身全霊っていつも報われないことある だけど止まらぬように〉って歌っていて、“ばっか。”はそうやって走ってる途中の歌なのかなって。曲はめっちゃ明るいけど、歌詞は〈ちょっとは私しぶとくなって 美しく咲けるかな〉〈とらえてるかな?〉とか前向きかって言ったらそうじゃない。でも、実際にずっと〈やってやるぜ!〉って気持ちだけで走り続けられるわけは絶対なくて〈この道で合ってるのかな〉っていう不安もあるし、でも走ることはやめないっていう曲だと思います。この“ばっか。”があるから“とらえる”も深みが出てくる気がしてて、その2曲があるのは凄くいいなって」

プー「“とらえる”の続編ってRyanに聞いた時はちょっと違和感があったけど、KINCHANの解釈でスッキリした気がする。こっちの“ばっか。”はコンセプトを考えてSU-RING単独で振付けしてもらいました。サキちゃんにも見てもらったんですけど〈ほぼこのままで良いと思うよ〉ってなって。サキちゃんもスパルタなんで、〈振入れもSU-RINGにやってもらうからよろしく〉って(笑)。それでSUがみんなにオドオドしながら振入れしてくれたのが新鮮でした。一生懸命やっててかわいかった(笑)」

SU「“生きて帰る、”を考えた後にプーちゃんとサキさんから〈ここがSUの課題かもね〉みたいなことを言っていただいたのが、私の振付けはあんまり波がないというか、ずっと飛び跳ねてるみたいな感じになっちゃうことで。だから、“ばっか。”は正直、自分の中に落とし込むのに時間がかかってしまった曲でした。自分の中でもいろいろ悩んでた時期に考えて、うまくいくことばっかりじゃないけど、そういう日があってもPIGGSは諦めずに、ぶーちゃんズとみんなで一歩一歩進んでいける存在でいたいと思って。それで、みんなで目を合わせたり手を繋いだりする振付けを意識して作りました」

BIBI「SUが振入れする時に、歌詞の意味だけじゃなくて、そのパートを誰がどんな気持ちで歌うのかまで考えてるって話していて。SUって傍から見たらおバカ系というか、熱血みたいなイメージだけど、言わないだけでめっちゃ考えてるんだなっていうのがわかる振りです。私はライヴ中にぶーちゃんズやメンバーと目が合う瞬間っていうのが、けっこうその日の自分の心が動いた瞬間になることが多いんですけど、SUが目を合わせたり手を繋いだりする振りを入れてくれて、特に落ちサビのところとかはライヴでやることを考えただけで泣けます。踊るのも楽しいし、グッとくる瞬間がたくさんありそうだし、SUがみんなのことを考えて作ってくれたから、自分も振りを付けてもらった意味とかを改めて考えたら、〈ダンスが苦手だけどがんばらなきゃ!〉とかじゃなくて、もっと大事なことに気付けました」

SU-RING

――3月からは今年最初のツアー〈生きる気でやったれTOUR〉が始まりますね。

KIN「私がPIGGSに入って3年半で、グループ自体も5年になるので、着実に登っていかないといけないプレッシャーは感じていて。こうやってまた素敵な2曲をいただいたので、このツアーではもうみんなが〈いまPIGGSを観ないとやばいよ!〉って噂を巻き起こしたいです。で、さっきプーちゃんが〈PIGGSを知らない人にも届けたい〉って話したように、ライヴ自体を良くしていくのは当然ですけど、やっぱり観てもらわないことには始まらないので、新しく来てくれる人を増やすっていう面では、例えばSNSもそうだし、ちゃんと自分が責任と自覚を持ってやらないと、2025年は良い波にも乗れるかもしれないけど、怠けたら良くないほうにも行っちゃう気がしてて、ちゃんとがんばろうって思ってます」

プー「まあ、バズらなきゃダメとかではなくて、向き合い方や意識が変わるだけで、発信の仕方とか言葉も変わると思うんですよ。これまではその意識がライヴっていうか、歌とダンスのみにだけ適用されてた気がしていて、それ以外のこともやれるのがアイドルの楽しさだと私は思っているので、〈SNSをがんばろう〉っていうよりは、きちんと自覚を持って自分という人間を発信できるようになったら各々が強くなって良くなるし、自分と向き合って何がやりたいのかをきちんと考えて発信してほしいっていう意味ですね。運営としてはもっと間口を広げたいし、その時にチームやメンバーがブレてなかったら前と同じ反省をすることもないと思うので、私はメンバーとしても運営としても両方で新しいことに挑戦して、やりたいことを叶えていく年にしたいなって思ってます。挑戦が怖くなってた部分もあるけど、ぶーちゃんズを信じて、メンバーを信じて恐れずにやっていくことが大事かなって。そのために動いているし。とっ散らかって見えることもあると思うけど(笑)、そこは信じてついてきてもらえたら嬉しいです」

PIGGSの近作。
左から、2023年のアルバム『RAWPIG』、2024年のシングル“街underworld”(共にARIOLA JAPAN)、2024年のEP『1ミリでも』、2024年のシングル“SUPERBAD”(共にプープーランド)