困難を乗り越えてギラギラとパワーアップした6人が剥き出しのメジャー・ファースト・アルバムを完成! 挑戦的な独自性で激動の一年を生々しく昇華した傑作『RAWPIG』には魂の疼きと生命力が漲っているぜ!
7月末の〈PIGGS HAVE THE POWER TOUR〉最終公演で新メンバーのSU-RINGとBIBIが感情剥き出しなお披露目を果たし、6人組になったPIGGS。9月から始まった新体制の初ツアー〈SUCK OF FULL MONTY TOUR〉は、プー・ルイが体調不良で一時離脱するアクシデントもありつつ、力強いグループの新生を全国各地で証明してきました。その動きと並行して届いたのが待望のメジャー初アルバムです。サウンド・プロデュースを務めるRyan.Bの攻めた創造性と色鮮やかな歌の個性が重なり、6人ヴァージョンに仕立て直した5つのシングル曲+8つの新曲という懐深い楽曲群を揃えたその『RAWPIG』は、激動の2023年を締め括るに相応しい痛快作に仕上がっています。上昇の機運を孕んだグループの現在地について6人に話を訊きました!
ちゃんと生活してます
――前回の取材はSU-RINGさんとBIBIさんがお披露目するステージの数日前でしたが、PIGGSになって数か月経った現状はいかがですか。
SU-RING「前回インタヴューしていただいた時は、〈ホントに馴染めるかな〉みたいな感じだったんです。自分が観ていた人と暮らしたり、一緒に活動していくこともドキドキだったんですけど、いまは自分の殻を破って、素の自分でいられるようになったし、過ごしやすくなりました。ライヴでも普段の生活でも自分でいられるから、凄く活動しやすくなりました」
――そうなれたきっかけはあった?
SU「やっぱり一緒に暮らしてるのが大きいなって思います。同じ家の中にいるから何でも話せるようになったし、一緒にご飯を食べたり朝の準備をしたりするような時間も凄く大事で、共同生活の良いところだなって思いました」
BIBI「私もSUと一緒なんですけど、入ったばっかりの頃は共同生活すること自体が不安で。特にお披露目前はめっちゃ焦ってて、〈やること多いし、お家にも帰れないし、どうしよう〉みたいな気持ちでした。みんなに相談すればいいことも、その時はまだ〈家にいたらお母さんに相談できたのに〉みたいな気持ちになったりして、お披露目前はキャパオーバーみたいになったんですけど。最近はもう〈家に帰る〉っていう時に思うのはピグスハウスだし、実家に帰る時は〈実家に帰る〉っていう意識になってきました。自分の意識が〈ピグスハウスが家〉みたいな気持ちに変わったから、ピグスハウスでもリラックスできるようになってきて、ちゃんと心が休めるようになって(笑)。相談もみんなにするようになって、お披露目前みたいに〈やばい、無理〉みたいになることもなくなりました。ちゃんと慣れて、ちゃんと生活してます。やっと住人になれました(笑)」
プー・ルイ「最初の頃はね、ふとした発言で〈今日、お家帰ろう〉って言う時に、2人は実家のことを言ってたりして、意外と気にはしてました。まんまとピグスハウスが家になって良かったです(笑)」
――メンバー/住人が増えてグループ内の雰囲気も変わりましたか?
KINCHAN「前から賑やかだったんですけど、さらに賑やかになりましたね。あと、私とそんなに離れてるわけじゃないけど、若いなって思います。2人ともけっこうクソガキみたいな感じ」
BIBI「(変顔)」
プー「こいつの顔見てくださいよ(笑)」
SHELLME「こういうとこがね(笑)」
KIN「妹ができたって感じはします。後輩とはあんまり思わなくて、妹ができたみたいな」
――YouTubeとかを観てるとガチャガチャした家族感が強まった感じがします。そんななか、9月に始まった〈SUCK OF FULL MONTY TOUR〉のうち4公演は急遽プー・ルイさん抜きの5人での公演になりましたね。
プー「まあ、ぶっ倒れてました(笑)」
――4月には喉の治療で休んだプー・ルイさん抜きの〈STAND 4 PIGGS TOUR〉もありましたけど、その時以上に大変でしたか?
プー「大変でした。4月の時は事前に報告して計画的にライヴをお休みしたんですけど、身体は元気だから話し合いは一緒にしてたし、ツアーの内容にも口を出せたんですけど。今回はガチ倒れで(笑)。最初にBIBIがインフルエンザになって、その後は〈バタバタ倒れる〉っていう言葉の通り順番に熱が出て、Ryanもレーベルのスタッフさんも倒れて……それでSHELLMEだけ生き残って」
――夜遊びしてたの?
SHELL「してないんですよ、それが(笑)。ちょうどYouTubeの編集をしてたから、みんながいた部屋にいなくて」
プー「そこから大変でしたね。若者たちはすぐ復活したけど(笑)、私はもともと8月に何回も熱が出て免疫力が下がってたのか、追い打ちのインフルエンザで、自分でも気付かなかった3年間の疲労やストレスも全部出ちゃって、ホントにぶっ倒れて機能しなくなってました」
BAN-BAN「ホントに急だったし、プーちゃんをまったく頼れない状況っていうのが初めてだったから、プーちゃんがいない1~2週間は凄く長く感じました。みんなで協力しながら結局4公演を5人でやったんですけど、METTYさんやスタッフさんもいっぱい来てくださって。毎回ライヴ前にアドヴァイスしてくださったり、自分たちでも話したりして」
KIN「5人での初日は前の日に歌割とフォーメーションを一気に組み替えたんで、そういう初めての状況にプレッシャーもあったし、初日の楽屋は各々に緊張感はあって。でも、こっちの3人の〈プーちゃんがいない!〉っていう意識が良くも悪くも強すぎて、そのぶんSUとBIBIの2人が私たちより伸び伸びライヴしてたように思えて、逆にそれが良かったです。それで初日を終えて〈うちらもプレッシャーはあるけど、もっと伸び伸びやってみようよ〉みたいな話になって、セトリとか歌割を変えたりしながら、だんだん良くしていった感じでした」
SHELL「前に3人でツアー回った直後は、正直そこから何を得たのか実感できてなくて。それが今回5人で回った時に初めて〈あの時に何かを掴めてたのかな〉って思えました。3人でやってプーちゃんが戻ってきた時って、そのまま元に戻った感じだったんですよ。けど、5人でやってからプーちゃんが戻ってきた時は、元に戻るんじゃなくて、5人で何かを得たところにプーちゃんが加わって新しくなったような感覚がありました。かと言って、5人で凄くできたわけでもないし、プーちゃんが戻ってきたら自分たちのできてない部分も逆にわかったりしたんですけど」
KIN「3人でやった時はとにかく目の前のことに一生懸命だったけど、今回は〈プーちゃんは今日いないけど、私たちがPIGGSです〉ってドッシリ構えられた気がして。SUとBIBIがいたことで私たちの〈自分たちが引っ張っていかなきゃ〉って意識が強まったのも良かったです」
――不測の事態ですけど、そもそも当初〈STAND 4 PIGGS TOUR〉の時にプー・ルイさんが試したかった形になった?
プー「そうですね、たぶん。〈STAND 4 PIGGS TOUR〉はもっと大きな出来事があったから、当初の狙い通りにならなかったけど、逆にあの3人でやった経験がなかったら今回みんなパニックになっていたと思うので、すべては必然的に起こるんだなっていうのも感じました」