メジャーでの初アルバムながら、Ryan.Bの繰り出すロウなサウンドがさらに振り切って独自性を貫いているのも好ましい通算3作目。インダストリアルでドラムンな冒頭の“ピラニア型人造人間”、荒々しく疾走するリード曲“Fleeting”などがパッションを放ち、松隈ケンタが共作した“Route 91665”も懐古や感慨を振り払うほどの躍動感が実に清々しい。既発曲も含めて、新メンバーの懸命さや歌声の存在感が聴き心地の生々しさを増幅しているのも収穫。デヴィッド・ボウイを下地に寂寞の旅情を歌う“スプートニク1号”、感情が溢れ出す終曲“人間すぎる”など剥き出しの人間味を投影した楽曲がとりわけ美しい。