燃え上がる魂の叫びでブシャーッと熱気をぶっかける本領発揮のニュー・シングルが完成! 4年目の全身全霊アイドルはどこへ向かう?
年明け早々に“負けんなBABY”でメジャー・デビューを果たし、〈全身全霊!燃える豚魂ツアー〉のファイナル〈焼豚大解放〉を日比谷野音で開催……と堅調に歩を進め、この4月で始動から3周年を迎えたPIGGS。ただ、コロナ禍のなかで試行錯誤してきたグループとしては、ここからが真価を問われることになるでしょう。観客の声出しを解禁した全国ツアー〈ブシャーッとブーシャウトツアー〉を3月から4月にかけて開催し、それに伴うニュー・シングル“BOO!SHUT”もライヴの盛り上がりを約束する強力な仕上がりとなっています。節目を起点に次へと向かう5人に話を訊きました。
改めて原点からスタートする
――声出しできるようになった3月からの〈ブシャーッとブーシャウトツアー〉はいかがですか。
CHIYO-P「自分がアイドルを観に行ってた時は声を出して楽しんできたので、やっぱりステージとお客さんの声援がぶつかり合って作っていく空間が好きなんです。今度はライヴする側になって、自分が憧れていた形でライヴできるようになったから、改めて気持ちを初心に戻して、そういう空間をみんなで一緒に作っていこうっていう気持ちです」
BAN-BAN「野音までの〈豚魂ツアー〉の時は、自分の気持ちだけで突っ走っちゃう感じがあったから、今回のツアーではグループ全体の中で周りが見えなくならないようながんばり方をしたいなと思っています。楽しみにしてくれている人の期待を常に上回るものを観せ続けていけるように意識しています」
KINCHAN「個人的な課題として、私も頭で考えすぎちゃうとこはあるので、〈あれこれ考えずにとりあえずやってみよう〉みたいなトライ&エラーの気持ちをもっと大事にしたいです」
プー・ルイ「去年から野音ぐらいまでめちゃめちゃゴタゴタして、運営チームとしてもメンバーとしても反省があって。野音がダメだったとは思わないけど、〈もっとこうしたら良かったな〉っていう部分がたくさんあって、いつも私はワンマンでひと区切りしちゃう感覚なんですけど、野音の後はもう次に向けて頭が働いていて、その日は帰ってすぐ野音のセットリストを組み直したんですよ。もう野音ではやらないのに(笑)。〈ここから先はこんなことがないようにしよう〉って自分が思ったのが大きいのかなって思いましたね」
――それが今年に活きているという。
プー・ルイ「はい。去年はライヴ中のMCを増やしたり、曲もいろいろ試したんですけど、まずはいまついてきてくれるぶーちゃんズ(PIGGSファンの総称)たちが盛り上がらないと意味ないなって学びました。新しい人を獲りにいくトライはもちろん続けるんですけど、やっぱPIGGSは頭で考えるタイプじゃないっていうか、例えば5曲やってMCも入れて、6曲やってまたMCで……とかいう流れより、〈20曲死ぬ気でやれよ〉って言ったほうが本領発揮できそうだなって」
――そう思ったきっかけは?
プー・ルイ「MAPAとMETAMUSE μとのスリーマンがあったんですけど、メンバーの認識ではその日がめちゃめちゃ久しぶりに楽しくて。まあ、私のスイッチとしては、昔から縁のある人とやって気合いが入ったのもあるんですけど」
――久しぶりというのは意外です。
プー・ルイ「例えば最初の徒歩ツアーのファイナルとか、胸を張って〈めっちゃ良かったよね〉って思えることが多かったんですけど。何か突き抜けないというか、それでモヤモヤする感じはあったんですよ」
SHELLME「悪くないけど良くもないっていう」
プー・ルイ「うん。軽くスランプだったのかもしれない、いま思えば。でも、その日のライヴがヒントになって、〈こういう客層ならこれがウケる〉とかをあんまり考えずに、とにかくいま自分がカッコイイと思うもので絶対にみんなを楽しませるっていうほうで考えて、MCナシでやったのが凄く良かったんで、それをもとに今回のツアーもセトリを組みました」
――過去のリリースは近い目標に紐づいていた印象なんですけど、それでいうと今回の“BOO!SHUT”に関しては、向かうテーマみたいなのが見えていないタイミングにも思えます。
プー・ルイ「はい。コロナ禍でキャパ的に読めなかったこともあって、野音までは大きい会場でやれてきちゃった部分があったけど、キャパもほぼ戻ったじゃないですか。だから、改めて原点からスタートするっていう意味で今回のファイナルはO-WESTだし。声出しもOKになったから、まずは〈PIGGSやばいね、イケてるよね〉ってもっと言ってもらえていた時のムードを取り戻したいのがあります。まあ、いまもイケてなくはないと思うんですけど(笑)」
――それはいつ頃のムードですか?
プー・ルイ「いつだろうな。メジャー前なんですよね、私の認識だと。やっぱり2022年は制作チームの側もいろんなことを気にしてしまった反省があったんですよ。学んだことを活かして2023年は〈2022年をやる〉っていう感じですね(笑)」
――EX THEATERワンマンぐらいからの流れをもう一回やり直すという。
プー・ルイ「そうですね。2021年の後をもう一回やる(笑)。あと、ライヴとは違う話だけど、YouTubeを撮影も編集も全部メンバー主体でやるようにしたのも最近の大きい変化ですね」
――炎上も経て(笑)、最近の〈ピグスハウス〉の動画はほのぼのした感じでいいと思います。
プー・ルイ「あんまり尖ってても難しいし、それよりYouTubeを使って共同生活とキャラクターを見せていくことと、あとは全身全霊で横浜アリーナをめざすためにアイドル修行しているという体を保つチャンネルを運営している感じですね。各自が見え方を考えるようになったし、編集しながら自分の発言とか喋り方を客観視する時間も増えたと思うので、それは良かったかな。BAN-BANとかは撮影中でもメンヘラこじらせちゃうんで(笑)」
BAN-BAN「うん。けっこう切り替えるの苦手で……自分が上手く喋れなかったり、勝負で負けたりすると、もう不機嫌になっちゃう」
プー・ルイ「そういう素材は全部BAN-BANに渡してます。〈こう見えてるよ〉〈自分で客観的に観て、編集しろよ〉って」
――そもそも自粛期間だった活動初期は皆さんで動画編集もされていましたよね。
プー・ルイ「はい。前からそうしたかったけど、ずっと手が回らないっていう課題があって。でも、やっぱりアイドルも自主性がないとやっていけないし、曲に関しては自分たちで作る人たちには勝てないじゃないですか。ライヴとかではまた違うんですけど、曲を作ってるという事実に関しては。だったら私たちは、自分たちがPIGGSであるっていうところをもっと強く持たないといけないって思うんで、いまはこういう感じでやってます」
BAN-BAN「私はいつも〈がんばりたいので、がんばります〉で終わっちゃうことが多くて、〈でも何をしたらいいんだ?〉ってなってたんですけど、みんなで何かをがんばるのは楽しいです」