自分なりのグルーヴが出せたら良いな
――“Growing Pains”はギターが鳴り響くロックナンバーですが、こういうタイプの曲は初めてでは?
「初めてですね。今回のアルバムでは私のいろんな面を見せたいと思っていて、ロックも歌ってみたかったんです。私の声はソフトなので、どうやって厚みや強みを出していくのか。レコーディングでいろいろトライしてみました」
――確かにバラエティ豊かな曲が並んでいますね。なかでもアルバムの前半。“フリーバード”“Rain Or Shine”“サマータイム・ブルース”とソウルやR&Bを取り入れた心地よいグルーヴの曲が並んでいるのが印象的でした。今そういった音楽に興味を持っているのでしょうか?
「グルーヴィーな感じの音楽には前から興味があったんです。アース・ウィンド&ファイアーとかアレサ・フランクリン、いろんなアーティストが好きで聴いていました。
“フリーバード”に関しては(楽曲提供を依頼した)jo0jiさんに〈ゴスペルのクワイアを入れたり、オルガンのサウンドを強調したような曲〉というイメージを最初に伝えたんです。グルーヴは自分の中から生まれるもので、アーティストごとにグルーヴがある。それが面白いし素敵なので、自分なりのグルーヴが出せたら良いなって思って歌いました」
――作詞はjo0jiさんとHanaさんの共作ですが、未来に向けて一歩踏み出す、という、今のHanaさんの気持ちが反映されているように思えました。
「歌詞を考えていた時、『レディ・バード』(2017年)という映画を見て、これだ!と思ったんです。高校を卒業したヒロインが新しい世界に踏み出す。そこでは自身の様々な問題があったりするけど、ワクワクしながら未来に突き進んでいく力強さを歌で表現したいと思いました」
――“Rain Or Shine”はceroの髙城晶平さんが曲を提供されていますが、リズムが独特ですね。歌ってみていかがでした?
「これは髙城さんと相談しながら作った曲で、アメリカのソウルミュージックみたいな曲を歌ってみたいと思ったんです。歌のディレクションも髙城さんにお願いしました。高城さんは〈Hanaさんが思うように自由に歌って〉と言ってくれたのですが、曲を聴いて一瞬でグルーヴをつかめた気がしました」
YMOトリビュート公演が繋いだ縁
――“サマータイム・ブルース”はシャッポの2人、細野悠太さん、福原音さんが演奏で参加されています。
「シャッポはデビューシングル(“ふきだし”)からずっと聴いていて、いつか一緒にやってみたいと思っていたんです。悠太くんと私は〈Yellow Magic Children〉(YMO結成40周年を記念して2019年に開催されたトリビュートコンサート)に出演していて、その時、高橋幸宏さんに一緒に挨拶に行ったんです」
――〈Yellow Magic Children〉はHanaさんが初めてステージに立ったコンサートでしたね。
「それ以来の共演だったので、すごくスペシャルな経験でした。レコーディングに立ち会って、2人に曲のビジョンを伝えて演奏してもらったんです。この曲は淡い恋を描いているんですけど、暑い夏の日に涼しい風が通り抜けるような曲が作りたくて、2人には〈シャッポのグルーヴをそのまま出してください〉とお願いしました」
――この3曲はミュージシャンとのコラボレーションという面もありますが、刺激を受けることも多かったですか?
「はい! アーティストそれぞれにビジョンを持っているので、そこから学べることがいっぱいありました。シャッポと一緒にやった時は、ただギターを曲にのせるのではなく、そこにどうやって自分たちらしいサウンドをいれていくのか、ということを学びました。今回、一緒にやったアーティストの方には、いろんなことを質問して教えてもらいました。すごく貴重な体験でしたね」