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歌という〈Safe Space〉ならありのまま自分をさらけ出せる

――タイアップの曲が5曲収録されていて、それもHanaさんのいろんな面を見せてくれます。例えば“旅のゆくえ”(TVアニメ「狼と香辛料」OPテーマ)はケルト風のメロディーで壮大な物語を感じさせる曲です。

「“旅のゆくえ”はオープニング曲なので、物語に入っていく心の準備ができるような曲になれば、と思いました。この曲に限らず、アニメの曲をやらせていただく場合はアニメを観て、ストーリーや世界観を確認して、キャラクターの感情を理解したうえで歌うようにしています」

――Hanaさんもアニメの登場人物のひとりになるような感じですね。その一方で、“背中”はHanaさんが作詞作曲をしていて、本作の中でもパーソナルな雰囲気を感じさせます。Hanaさんは英語がネイティブなので、日本語で伝えるのが難しいのでは?

「この曲は私が初めて日本語の歌詞に挑戦した曲なんです。日本語の表現を探っていくというより、自分の中から出てくる表現ってなんだろう?と考えた時に自然に出てきた言葉で歌詞を書いたのですが、日本語の歌詞を書く時も英語の歌詞と同じように自分らしい日本語を使っても良いんだなって思いました」

――ちょっと大人っぽい雰囲気の曲ですね。

「この曲は私にとって初めてのラブソングなんです。自分が今より子供の頃だった時に恋した経験って、ずっと覚えていると思うんですよ。その恋が自分のルーツの一部になっている、という歌なんです。

自分の歌詞を歌う時は自分をありのままに出すようにしています。歌は自分にとっては〈Safe Space〉。安全な場所なので自分をさらけ出しても不安はありません。

自分がもっと大人になってから“背中”を聴いたら、〈この頃の私はこんなことを考えていたんだな〉って当時の気持ちを思い出すんじゃないでしょうか。曲ごとにその時々の自分の気持ちが込められていて、今回のアルバムはメジャーデビューしてから現在に至るまでの旅の記録なんです」

 

デビュー前の怖いもの知らずな歌

――そういえば今回、配信のみだった前作『HUES』が初めてCDでリリースされますが、そこにデビューまでの客演曲を集めたボーナスディスク『Road to Debut』も収録されています。当時の音源を改めて聴いて、どんな感想を持たれました?

Hana Hope 『HUES』 U/M/A/A/HINTS music(2023)

「自分はすごく恵まれていたんだと思いました。歌を始めた時から、才能があるアーティストと一緒にやらせて頂いていたんだなって。何もわかっていないから、怖いもの知らずだったのかもしれません。(初めて歌をレコーディングした)“CUE”を聴くと〈もう、やるしかない!〉という気持ちで歌っているし(笑)」

――ドキュメンタリー映画「音響ハウス Melody-Go-Round」(2020年)の主題歌“Melody-Go-Round”も収録されていますが、映画では作詞をした大貫妙子さんのアドバイスを聞きながら歌っていましたね。

「大貫さんとは初対面だったこともあって最初は緊張してたんです。でも、大貫さんは私を1人のアーティストとして接してくれてすごく嬉しかったです」