ページいっぱいに鳴り響く、シベリウス“ヴァイオリン協奏曲”。実際はもちろん音は出ていないのだけど途端に脳内に流れるシベリウスは鳥肌もの。三原和人による音楽が紡ぐ青春の物語「宙飛ぶバイオリン」第2巻。一度は弾けなくなったヴァイオリンと向かい合いはじめた少年・吉田良雄とヴァイオリン界の天才少女・仙波カノンとの再会。そして相変わらず不思議いっぱいで、ついつい笑ってしまう可愛さを持つ宇宙人・天野テセラ。「音楽をより理解するには人間をもっと理解しなければならないと思ったんだ」というどこか確信をつく言動や振る舞いに、読み手の自分までハッとさせられながら物語に没入させてくれます。