〈ハーフ〉という表現は、日本では〈日本人〉と 〈外国人〉の間に生まれた子どもという意味で使われることが多い。その昔ミックスルーツのタレント〈ゴールデンハーフ〉を売り出す際に広められたのが定着した由来らしい。本作は異なるルーツを持つ様々な主役たちの群像劇である。〈ハーフ〉と呼ばれる人達が受ける人種差別やルッキズム等の実態を突きつけ、身近な人との衝突や分かり合えなさを受け止めつつ互いに関係を構築し直そうとする姿が描かれる。見えづらかったものが可視化されており、各話のラストが毎回素晴らしく深く学びの多い作品だ。人は他者を理解しようとして、初めて自分自身が見えてくるものである、と言えるのかも。
藤見よいこ「半分姉弟(1)」ハーフと呼ばれる人達の差別やルッキズムの実態を群像劇を通して突きつける
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