昨日、長崎スタジアムシティ HAPPINESS ARENAで開催されたライブイベント〈長崎国際テレビ35周年・特別企画「地球魔界化計画 第II章」〉。聖飢魔IIとDamian Hamada’s Creaturesが激突したジョイントギグのオフィシャルレポートが到着した。
魔暦27年(2025年)11月2日、長崎ハピネスアリーナにて行われた〈地球魔界化計画 第II章〉。聖飢魔II、そして地獄の大魔王ダミアン浜田陛下率いるDamian Hamada’s Creatures(D.H.C.)が登場したその夜、会場はまるで現実と異界の境界が溶け出すような熱気に包まれていた。
暗転した瞬間、観客の中から沸き起こった「D! H! C!」の大合唱がアリーナ全体を突き抜け、誰もがその声のうねりに呑み込まれていく。荘厳な〈地球魔界化計画特別バージョン〉としてデーモン閣下のナレーション入りの“聖詠”(SE)が流れはじめると、否応なしに会場は今まさに始まる魔界史の一大イベントへの興奮で湧き上がる。闇の奥から光が滲み、改臟人間たちが次々と姿を現し、そしてダミアン浜田陛下が登場。
ステージ中央奥高くにある玉座に鎮座されている陛下に改臟人間たちが跪く。やがてボーカルのシエル伊舎堂が、陛下ご愛用のアニマル柄の武器(ギター)を陛下へ……、そしてメンバーがそれぞれ立ち位置に着く、その表情は自信に満ち溢れている。
KAZAMIクロウリー(ドラムス)の合図が響いた瞬間、会場の空気が一変する。鋭く切り裂く一撃とともに始まった“審判の日”、そしてダミアン陛下も加わって演奏されたD.H.C.の地球デビュー曲“Babel”は、〈序章の嵐〉だった。
ボーカル&演奏力共にダミアン陛下に選ばれ改藏人間となったメンバーの重厚な鋼鉄サウンドは、初めてD.H.C.を体験した聖飢魔II信奉者やファンに実力を見せ付け、そのエネルギーがアリーナの隅々にまで行き渡り、観客の身体を、五感を直接震わせる。

中盤、ダミアン陛下が、聖飢魔IIのサポートとしても知られるKAMISORI SYUTOを呼び込むと、次に放たれたのは6月6日に先行配信されたばかりの“666”。陛下が語るには、この曲は神に失望した人間たちの苦悩と反逆の象徴であり、〈666〉という数字には〈Rock Rock Rock〉という叫びをも掛け合わせたという。イントロが鳴った瞬間、観客が沸騰する。怒号のような「Rock! Rock! Rock!」のコールが巻き起こり、音と声と光が渾然一体となってアリーナを呑み込んでいく。誰もが拳を突き上げ、叫び、誰もがこの瞬間に生きていた。
続いて披露されたKAMISORI SYUTOのドラマティックなピアノソロから始まる“Eternal Sinner”でD.H.C.の音楽性の奥深さを見せ、次に披露した“天空の放浪神”では、純度100%の様式美ヘヴィメタルで襲う美しき音の洪水が聴く者の意識を奪っていく。まるでステージ全体が一つの生命体となって脈動しているようで、観客の歓声がそれに応える。
そしてクライマックス、“嵐が丘”が始まった瞬間、アリーナの空気がさらに張り詰めた。RENOファウストとアックスKAZUMAが左右のお立ち台へと飛び乗り、2人のギターが交錯し、そしてダミアン陛下もお立ち台に上がりトリプルギターによる雷鳴のようなフレーズが空間を切り裂くと、リリス一ノ瀬のベースが唸りを上げ、KAZAMIクロウリーが用いるチタン製のドラムが、重厚なドラミングとともに地鳴りのような低音となり床を伝う。観客の歓声が再び爆発し、会場中央へ伸びる花道をメンバーたちが悠々と歩き、こうしてD.H.C.のライブは大熱狂の中、終焉を迎えた。
D.H.C.は11月19日(水)に第VI大聖典(アルバムのようなもの)『新世界黙示録』を発表する。11月12日(水)に“愛と殺戮の輪舞曲(ロンド)”の先行配信、そして同日21時からミュージックビデオのプレミア公開も行うので必ずチェックしてほしい。