DJ KENTARO × Takuya Nakamura、Kireekなど豪華ゲスト陣が会場を魅了
長時間におよぶ〈DMCファイナル〉のもう一つの楽しみといえば、バトルの間に行われる歴代の〈DMC〉チャンピオンたちによるゲストパフォーマンスだ。今年は、DJ RENA、JFB、DJ FLY、 Skratch Bastidが登場し、華麗なDJプレイを披露した。
後半にはDJ KENTAROがニューヨーク在住のTakuya Nakamuraと初タッグを組み、ターンテーブリズムにトランペットの音色を重ねた圧巻のステージを展開。さらに、〈DMC〉の歴史に名を刻む伝説のターンテーブリストクルーInvisibl Skratch Piklz(Q-bert、D-Styles、Shortkut)によるセッションでは、Q-bertが高速スクラッチの限界に挑戦。33回転から45回転、さらにピッチ+16まで速める難技を観客の声援を受けながらクリアした。
最後に登場したのは、DJ HI-CとDJ YASAからなる世界最強のターンテーブルユニットKireek。かつて〈DMC〉のTEAM部門で5連覇を達成した彼らは今大会で再結成を果たし、4台のターンテーブルを駆使してアイデア満載の技とグルーヴを織り込んだパフォーマンスを披露。会場は爆音の中、世界トップクラスのDJパフォーマンスによって興奮に包まれた。
DJ FUMMY「今年は絶対負けられなかった」
そして〈DMCファイナル〉でもう一つ注目すべきプログラムが、〈DMC〉の発展に貢献し、大会において偉大な功績を残してきた人に贈られる〈HALL OF FAME〉だ。バトルとバトルの間に表彰式が行われたのだが、今年は日本から過去にワールドチャンピオンに輝いたDJ IZOH、前述したInvisibl Skratch PiklzとKireek、さらに25年以上もTechnicsで商品開発を行ってきた上松泰直、Technicsプロデューサーの小川理子らが受賞した。
また、2002年にアジア人で初の〈DMC〉ワールドチャンピオンに輝いたDJ KENTAROも〈HALL OF FAME〉を受賞した。「DJの活動は家族のサポートあってこそ」とコメントしたDJ KENTAROだが、途中ステージに家族が登場するといったサプライズも。そして〈DMC〉への功労を称える〈LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD〉には、DJ界のレジェンド、dj hondaが選ばれた。

〈DMCファイナル〉1日目の最後に行われたのは、その年の世界一のターンテーブリストを決めるCLASSIC部門。各自が2台のターンテーブルとミキサーを使用して6分間のフリースタイルで技を競い合う、〈DMC〉の設立当初から続く最もベーシックなスタイルでバトルする部門だ。
DJ CRAZEがMCを務めた今年のCLASSIC部門には、各国の決勝大会で高得点を収めた8名に加え、シード枠として日本のDJ FUMMYとニュージーランドのDJ K-Swizzが出場。選曲、構成、スキルとどれをとっても圧巻で、ターンテーブリズムの進化をまざまざと見せつけられた。結果、3位にアメリカのThe Kid RC3、2位にDJ K-Swizz、そしてDJ FUMMYが念願の優勝を果たした。

優勝が決まった瞬間、DJ FUMMYの目から溢れた涙には、彼がこの数十年〈DMC〉に懸けてきた思いが凝縮されていたように見えた。アイデアに富んだルーティン、抜群のスキル、ストリートの匂いを感じさせた決勝の6分間は、観客を完全に引き込むほど美しく研ぎ澄まされていた。
DJ FUMMYは優勝直後、今年の〈DMC〉への思いと自らが抱くターンテーブリズムについて語ってくれた。
「正直まだ夢みたいで〈やっと掴めた〉という気持ちです。〈DMC〉で優勝するっていう夢をずっと追いかけてきて、あの瞬間のために全部を捧げてきたから、〈DMC〉の歴史に自分の名前を刻むことができたのは本当に嬉しいです。日本開催だったこと、何度も世界2位を重ねてきたことも含めて今年は絶対負けられなかったので、いまは勝てて安心してます。自分の好きなターンテーブリズム、DJバトリング、強みなどを見つめ直し、これが最後という気持ちで、勝つためというより自分が好きなことで、かつ得意なことを6分間に詰めました。
ターンテーブリズムは、ターンテーブルを通して出るその人の人間性だと思っていて、DJバトルはその個性のぶつかり合いだと思っています。〈DMC〉で得られたのは、とにかく楽しかったという感覚です。この楽しさこそが、自分がバトルを続けてこられた理由でもあるので、これからもその感覚を大事にしてターンテーブルと生きていきたいと思います」