多彩な才能を擁する集団がファースト・アルバム『THE MANSION』をリリース! 謎めいたMansionの住人たちが表現する、このクルーならではの世界観とは……?

 唾奇やSweet William、kiki vivi lilyなどを擁するクルー:Pitch Odd Mansion(以下POM)が待望のファースト・アルバム『THE MANSION』を完成した。ラッパー、トラックメイカー、DJ、シンガー、映像作家、ダンサーなど多彩な才能が集結したPOMの、集団としての求心力の強さと魅力がしっかり提示された充実作となっている。

Pitch Odd Mansion 『THE MANSION』 Pitch Odd Mansion(2023)

 

――今作は全曲をSweet Williamさんがプロデュースされましたね。

Sweet William「ここ何年か、特にコロナ禍以降はPOMのメンバー同士があまり会う機会がなかったし、POM自体も活動らしい活動はなかったんですよね。だからこのままバラバラになるのかな、と正直思ってて」

Warbo「コロナ禍前ぐらいまでは、全員ではないけども、3~4割ぐらいのメンバーが集まるようなイベントがいっぱいあって。でもコロナ禍に入ってガッツリとライヴがなくなったり、私生活でもいろんな変化があって、〈それぞれの生活〉に向く時間が長くなったんです」

Ace the Chosen onE「みんなほぼ同い年なんで、同じようなタイミングで変化や苦難が起きる(笑)。ただ、そのままバラバラになるのはやっぱり寂しい、でもそれをあえて話し合うのもちょっと違うなと思って、それでラップで腹を割って話そう、みたいなイメージで、今回のアルバムは始まったんですよね」

Warbo「だから今回の制作で、みんなが出会った20代前半の頃の気持ちに戻った感じがする」

Shintaro Kunieda「今回のアルバムの真髄はそこかもね」

唾奇「俺らは全員住んでるところも、考え方も、スタイルも、何もかもバラバラだけど……」

Ace the Chosen onE「それでもPOMはホームであり、帰る場所。だから『THE MANSION』というタイトルは相応しいなって」

サトウユウヤ「今回のアルバムは愛知や沖縄で合宿して録った曲も多いんですよ」

RAITAMEN「データのやり取りじゃなくて、集まって作ろうと。誰が作るかを決め打ちした曲もあるけど、合宿でSweet Williamのビートを流して、それで書けた人間から録っていったり。レコーディングで唾奇が起きてこなかったり(笑)」

唾奇「何回起こされてもダメで、結局後で録り直したり(笑)」

Shintaro Kunieda「そうやって作っていった内容を、Sweet Williamが取りまとめた感じだよね」

DJ FUMMY「自分の担当した部分のOKとNGを判断する〈Williamチェック〉はバリ怖いけど(笑)」

TEN「ボツになった曲もあるし。でも、みんなそれを信用してるしね」

Sweet William「おかげでめっちゃいいアルバムにできたと思います」

Ace the Chosen onE「よかった(笑)。最初に描いてたコンセプトとは一致してんの?」

Sweet William「できたと思う。POMのイメージは僕の中で決まってるんで、それを崩さずに、いろんなエッセンスを入れて、アルバムとして構築していった感じですね。POMのメンバーと会って喋って受けるイメージとか、キャラとか性格みたいな部分が、僕の中では強く楽曲に出たんじゃないかなって」

唾奇「間柄とか空気感とかはだいぶ反映されてるかなって気はしますね」

Warbo「ビートも半分ぐらい差し替わったもんね。そこでアジャストしてグッと統一感が出たと思う」

Ace the Chosen onE「ラッパー6人が6人とも被らないから、それをグッとまとめてくれたのは、本当にWilliamのビートありき」

RAITAMEN「セッションの雰囲気も残しつつ、ちゃんとまとめたことで、俺らが過去に作ってきた『2 HORNS CITY』みたいなコンピとは違って、今回は〈POMのアルバム〉として形になったよね」

サトウユウヤ「POMとしての原点というか、自分たちで楽しいと思える感情や、何が互いにリスペクトし合える瞬間なのか再確認したよね」