ボブ・マーリー生誕の地を表題に掲げた新作は、ハイレ・セラシエの演説で始まる冒頭曲やオーガスタス・パブロ使いの先行カット、ボブ讃歌のほか、ラスタ思想に根差した内容。唯一のゲストがアストン・バレットの息子だったり、希薄な人間関係に苦言を呈する“Digital Love”でジョニー・オズボーン“Curly Locks Girl”のオケを再構築したり、粋なこだわりが随所で見受けられます。その一方、あまり説教臭くならないようにブラジル風味の“Ipanema”やジミー・クリフ“Club Paradise”のカヴァーなどで適度な軽さを足したバランス感覚も流石。間口も奥行も広く取られた高品質のルーツ・レゲエ盤です。