TenTwentyのセカンドEP『Abyss Red』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ TenTwenty 特別号」を発行! ここでは中面に掲載されているレビューを掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です!※ *TOWER PLUS+編集部
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TenTwentyが2025年に発表したEP『Border=Border』以来、2枚目となるEP『Abyss Red』をリリースした。バンドとしてリリース毎に新しい音や曲の表現に挑戦し続ける斎藤宏介(ボーカル/ギター)と須藤優(ベース)の2人。今作における進化や楽曲に込めた想いを収録楽曲から読み解いてみよう。
アップデートし、新たなピークを迎えた2人
卓越したクリエイティビティと色彩豊かな音楽性、そして、〈もっと先に行くんだ〉という強い決意。このバンドは今、新たなピークを迎えつつあるようだ。
斎藤宏介と須藤優によるバンドTenTwentyから2作目となるEP『Abyss Red』が届けられた。
2025年の春にバンド名義をXIIXからTenTwentyにチェンジ。その理由は、3作のオリジナルアルバム『White White』(2020年)、『USELESS』(2021年)、『XIIX』(2023年)の手ごたえ、そして、〈さらにギアを上げ、多くの人に自分たちの音楽を届けたい〉という意思だった。
表記変更後、最初の作品はEP『Border=Border』。凄まじい疾走感に貫かれたトラック、お互いの創造性とテクニックが炸裂するアレンジ、〈自分は自分だ〉という意思をはっきりと表明した歌詞が1つになった表題曲“Border=Border”は、彼らの新たなモードをダイレクトに反映していた。
さらに6月から7月にかけてライブツアー〈TenTwenty LIVE TOUR 2025「It’s Magic!!」〉を開催。夏フェスへの出演を経て、10月には東京・大阪にて〈TenTwenty ONE MAN LIVE ~ハレ~〉を行うなど、凄腕のミュージシャンとともにライブバンドとしても大きな進化を遂げた。
バンドとして著しいアップデートを果たしたTenTwenty。本作『Abyss Red』を聴けば、彼らの充実ぶりをダイレクトに感じ取ってもらえるはずだ。では、収録曲を紹介していこう。
〈より遠くへ〉という意志を込めた新アンセム“Abyss Red”
1曲目はタイトルトラック“Abyss Red”。〈深淵な赤〉を意味するタイトル通り、深みと激しさを共存させたナンバーだ。最初に聴こえてくるのは、鋭利な響きをたたえたギターカッティングと〈でたらめなスピードで/走り抜けてくミリ秒〉というフレーズ。しなやかなグルーヴを放つベースラインと強烈なアタックを感じさせるドラム(河村吉宏)が加わり、瞬く間にトップスピードへと達する。緊張感をキープしたままサビへと突入していく様子はまさにスリリング。煌びやかなエレメンツを散りばめた音像、キャッチーなメロディラインを含め、TenTwentyの新たなアンセムになりそうだ。
全編を貫いているのは、〈少しでも遠くへ〉〈少しでも速く〉という強靭な意志だ。このバンドを結成したときに斎藤は、「ユニゾンとは別の表現の場所を設けるときは、絶対に大成功させなくちゃいけない」という趣旨のコメントをしていた。こちらから見ているとTenTwentyは確実に成長しているし、音楽性の高さ、ライブの素晴らしさはしっかりと音楽ファンに浸透しているように感じるが、おそらく彼らのなかには〈まだまだ、こんなもんじゃ足りない〉という思いがあるはず。そんな思いを音楽として昇華したのが“Abyss Red”であり、この曲をタイトルトラックにしたこともまた彼らのアグレッシブな姿勢の表れなのだろう。
