TenTwentyのEP『Border=Border』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ TenTwenty 特別号」を発行! ここでは中面に掲載されたインタビューを掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です!※ *TOWER PLUS+編集部
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TenTwenty初のEP『Border=Border』がリリースされた。バンド表記がXIIXからTenTwentyへと変わり、UNISON SQUARE GARDENのギタリスト/ボーカリストである斎藤宏介と須藤優によるバンドは、新たなフェーズに突入したといえるだろう。EP『Border=Border』の収録楽曲や今後について、斎藤宏介と須藤優に聞いた。
前作完成直後に始まった、疾走感ある激しい曲たちの制作
――バンド名がXIIXからTenTwentyと変わり、EPとしてのリリースとなった本作『Border=Border』ですが、本作の制作はいつ頃からスタートしたのですか?
斎藤宏介「前作『XIIX』のリリース直後には曲作りを始めていたので、およそ1年半くらいですね。そこから(先行シングルの)“煌めき”が完成したことで、急速にEPリリースに向かっていきました」
須藤優「『XIIX』の制作が終わってすぐに“Border=Border”を作り始めた記憶があります。ほかにも何曲かデモを作りましたが、疾走感のある激しい曲が多かったです。そこから時間をかけて、2025年の年始まで制作をしていました」
――この制作期間はおふたりともTenTwenty以外でも精力的な活動があったわけで、そのなかでの活動はTenTwentyにフィードバックされるものはありましたか?
斎藤「どこにいても自分は自分でしかないので、すべてがすべてに影響しているとも言えるし。影響していないとも言えます」
須藤「もちろん影響を受けていないわけではないけれど、そこまで意識して考えたことはありませんね」
XIIXをぶち壊そうと作った曲
――そうしたなかでEP『Border=Border』は1曲目の表題曲からして攻撃的なアプローチが聴かれるサウンドですが、制作に関して何か変化はありましたか?
斎藤「今まで緻密に作り上げてきたXIIXをいったんぶち壊そうと作った曲です。今回EPに収録した曲は、すべて作詞が斎藤、作曲が斎藤と須藤、編曲が須藤になります」
須藤「TenTwentyの制作はほとんど僕のオケ作り、正解のないカラオケのようなものから始まります。まず僕がオケを作り、宏介に自由に歌ってもらってそれを受けアレンジしつつ詰めていくというコライトで1曲が出来ていきます。この曲はとにかく激しく、刺激的なものを作りたかったのでギターリフから作りました」
――まさに冒頭のギターリフからしてアグレッシブな幕開けとなりましたね。
斎藤「今回のEPのテーマでもあるんですが、〈人は人、自分は自分〉という考え方が好きで。だからこその他人や世間とのつながり方や自分自身の全うの仕方があると思っています。力強く自分の歩みを進める人に、何か刺さるものがあればいいなと思っていますね」
須藤「あとアレンジですが、ドラムスはよっち(河村吉宏)、鍵盤は山本健太くんにお願いしました」
――そうした爆発的なスタートから、2曲目は先行配信楽曲“煌めき”へと続いていきます。こちらはTVアニメ「マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~」OPテーマとなりましたが、2021年発表の“アカシ”以来となるアニメのタイアップでの制作はいかがでしたか?
斎藤「『マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~』のアニメ化に伴い、主題歌を作ってほしいという依頼をいただき、そこから原作のライトノベルを読んだり打ち合わせを重ねていって曲になりました」
須藤「タイアップ曲はアニメ作品あっての制作になるので、大変な部分もありますがやり甲斐があり楽しいですね。この曲は『マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~』という作品が呼んでくれた楽曲なので、僕らとしても新鮮でとてもポップな曲に仕上がりました」
斎藤「作品を読んで感じたことは〈魔法〉という言葉の解釈の奥深さです。人は何か信じられない出来事を目の当たりにしたとき、それを言語化しきれずに〈魔法〉と呼んだりしますが、実はそんな簡単なものではなくて日々の力強い歩みの先にようやく手にすることができる一瞬の〈煌めき〉なのだと感じて歌詞を書きました」