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創作の核にある〈空(そら)〉と決着をつけたい

――一方でアルバムタイトルは『The Sky』ですし、アートワークは空を大写しにしたイラストですよね。同じ漢字である〈空(そら)〉もテーマにあったのでしょうか?

「このアルバムに込めたものをすべて書くと複雑になってしまうので、作品の説明文は〈空(くう)〉にまとめたのですが、個人的には〈空(そら)〉の方がメインテーマに近いんですよね。

空を描くことは自分の創作の核でもあるんです。曲を作り始めた中学生の頃から〈空(そら)〉という言葉を沢山使っていて。人には言えない感情だったり、ぐちゃぐちゃになっちゃった気持ちだったり、美しいと思うことの比喩だったり、とにかく物事を空の状態で表していたんです。でも、それは僕にとって半分逃げというか〈そんな綺麗なものに喩えるべき気持ちじゃないよね〉という考えがずっとあって。そういう言い訳みたいなものにもなっていた〈空(そら)〉と、決着をつけたいという気持ちがあったんですよね。この3部作は僕の内面に決着をつけるというか、僕の禍々しい部分を消化することを目的にしているんですが、それに相応しいテーマが〈空(そら)〉だったんです。

あとは〈空(くう)〉とも少し繋がるのですが、あるがままのものの象徴でもあるんですよね。空はあるがままそこにあって、変わっていくが変わらなくて、しかも美しい。自分もそうありたいし、それがどれだけ素晴らしいかを……うーん、難しいな……」

――かなり入り組んでますね(笑)。

「そうなんですよ。まあ色々な理由は一旦置いておいて、この作品のタイトルは『The Sky』以外ないですね。『Hold Me Tight (yourself)』の表題曲は〈なんて綺麗な空だろう〉という歌詞で終わるんですが、その歌詞を書いて〈やっぱり空(そら)なんだ!〉と思って。あの曲ができた時点で、次のアルバムは絶対に『The Sky』にしようと思っていました」

 

歌い手しほとの思いが合致した“私はキャンバス”

――しほさんがボーカルで参加した“私はキャンバス”の歌詞は、ずばり空を描くことがテーマになってますよね。今のお話を聞くと、Guianoさん自身の気持ちを投影した曲のようにも思えました。

「この曲には結構複雑な経緯があって。しほちゃんとは高校生くらいの頃から知り合いなんですが、ずっと悩みを抱えている子で〈周りのみんなは売れるために頑張ってるけど、自分は生きていけるだけのお金があって、好きな歌を歌えたらそれだけでいいんだよね〉みたいな話をよく聞いていたんです。

そんな子がオリジナル曲を作りたくなったみたいで、僕に依頼してくれて。ずっと〈どうすればいいのかわからない〉と悩んでいたことを知っているから、やっと自分のやりたいことを見つけたのかなと感動したんですよね。それで書いたのが“雫の歌”(2025年にリリースされたしほにとって初のオリジナル曲)なんですが、5分半くらいある曲なので、一発目の曲として本当にこれでいいのかなと思って。キャッチーでメロディアスな曲も送ってみようと思って作ったのが“私はキャンバス”なんです。

結局しほちゃんは“雫の歌”を選んでくれたんですが、個人的に“私はキャンバス”もかなり気に入っていたんですよね。もったいないし、『The Sky』のテーマともあまりにも合っていたので、今作に収録することにしました」

――以前の取材では楽曲提供を「相手と自分の間に生まれる独り言」と表現されていましたが、だからこそアルバムのテーマにも自然と合致したんですね。

「そうですね。しほちゃんが悩んでいたことと、自分が昔、または今悩んでいることがうまく合致した曲だと思います」