デビュー5周年を飾る初のベストアルバム『Adoのベストアドバム』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ Ado 特別号」を発行! ここでは中面に掲載されたレビューを掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です!※ *TOWER PLUS+編集部
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Adoが『Adoのベストアドバム』をリリースした。“うっせぇわ”でデビューして以来、数々のアーティストコラボやタイアップなど話題曲を発表してきた彼女の初のベストアルバム。キャリアを総括した作品ということで、「TOWER PLUS+」では本作に収録されている楽曲をもとにしながら、デビューからの5年間を振り返りつつ、Adoの音楽の魅力に迫ってみよう。
“うっせぇわ”で鮮烈なデビュー、トップアーティストとの話題曲を連発した5年
2020年10月に“うっせぇわ”で鮮烈なデビューを飾って5年。Adoから初のベストアルバム『Adoのベストアドバム』(2枚組)が届けられた。〈全部、勝負曲。〉というキャッチコピーに偽りなし。1曲1曲、強い思いとこだわりを詰め込みながら生み出してきた楽曲が収められた本作には、歌い手としてのAdoの軌跡がしっかりと刻まれている。ストリーミングで支持されている楽曲を中心にセレクトされた『Adoのベストアドバム』。本作の収録曲をもとにしながら、デビューからの5年間を振り返ってみたいと思う。
2017年から歌い手としての活動をスタートさせ、〈歌ってみた〉界隈で知名度を高めてきたAdo。その歌声を世に知らしめたきっかけはもちろん、2020年のメジャーデビュー曲“うっせぇわ”だ。作詞・作曲はボカロPのsyudou。エッジが効いたロックサンド、〈うっせぇうっせぇうっせぇわ〉と憤りをぶちまける歌詞、そして、激しさと爆発力を放ちまくるボーカルが1つになったこの曲は瞬く間に大きな話題を集め、リリースから僅か半年経たずして、ストリーミング再生回数1億回を突破。“うっせぇわ”は社会現象となり、Adoの存在は子供から大人まで幅広い層に認知された。
その後もダンスミュージックの要素を取り入れた“踊”、ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」主題歌に起用された“阿修羅ちゃん”、Ado自身が敬愛してやまない、まふまふの提供曲“心という名の不可解”などの話題曲を次々と発表。
そして、Adoの活動フィールドが広がる大きなきっかけになったのが、映画「ONE PIECE FILM RED」。映画に登場する歌姫・ウタの歌唱パートを担当し、大きな注目を集めたのだ。ベストアルバムには、主題歌の“新時代”(楽曲提供:中田ヤスタカ)をはじめ、劇中歌“私は最強”(楽曲提供:Mrs. GREEN APPLE)、“逆光”(楽曲提供:Vaundy)、“ウタカタララバイ”(楽曲提供:FAKE TYPE.)を収録。各シーンのトップクリエイターのコラボレーションは、まちがいなく、歌い手としてのレベルをさらに引き上げた。
また、椎名林檎が楽曲提供した“行方知れず”や稲葉浩志が作詞、松本孝弘が作曲を手がけた“DIGNITY”などもベストアルバムに含まれている。どちらの楽曲も日本を代表するビッグアーティストの提供だが、この2曲もまた、Adoの存在をより多くの音楽ファンに浸透する契機となった。彼女の音楽ルーツの中心がボーカロイド系や歌い手であることは変わらないが、様々なジャンルのアーティストとの〈共演〉が彼女の糧になっていることに疑いの余地はないだろう。
2023年にリリースされた“唱”もまた、Adoのキャリアを象徴する楽曲だ。作詞をTOPHAMHAT-KYO(FAKE TYPE.)、作曲・編曲をGigaとTeddyLoidが担当したこの曲は、インドの音楽のテイストを取り入れたダンスチューン。エキゾチックな音像と最新鋭のEDMを融合させたトラック、〈喝采 巻き起こすために Stay/一切合切忘れて Shout it out〉というフレーズが共鳴するこの曲は、Billboard Japan Hot 100、オリコンランキングなどで1位を獲得。“うっせぇわ”、“新時代”に続き首位獲得を達成した。きわめて高いボーカル技術を求められる楽曲だが、ライブでも完璧に歌いこなし、今や彼女のステージに欠かせないアンセムとなっている。