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愛をもらえたから死ななかった、今も生きている

――このアルバムは愛をテーマにした“I love you (Maybe this time it’s true)”で終わりますよね。1stアルバム『Love & Music』は「全ての原動力には愛が隠されている」という考えからタイトルに〈Love〉を入れたと話されていましたし、スタンスに一貫性を感じました。

「この曲は当初作る予定はなかったのですが、あまりにも最後に相応しい曲ができてしまったので入れた形です。昔の発言は大分恥ずかしいですが(笑)、本当に思ってることなんでしょうね。今の僕には生きる理由が沢山あるんですが、自分の状況がよくなかった頃は死ぬ理由しかなかったんです。なのになぜ死ななかったんだろうと考えると、それは人が愛をくれたからだと思うんですよ。

例えば親だったら無償の愛とよく言われますが、誰かに〈生きていてほしい〉と思ってもらえるだけで、それは人にとっての生きる理由になると思うんです。僕も生きていてほしいと思う人には、それを伝えるような行動を取りたいし、それを愛としたいというのがこの作品の結論なんですよ。結局全部に意味はないけど、自分のことを手伝ってくれたり、励ましてくれたり、怒ってくれた人がいたからこそ、生きる理由ができた。そういう行動をしてくれるのは、僕のことを何かしら考えてくれているからで、それが愛の本質であってほしいんです。

考えてみれば“あなたはmusic”は〈めちゃくちゃ愛してたはずなんだけど、僕は見てただけだったんだな〉みたいなことを書いているし、“WHAT A WORLD!!!”も〈本当は愛されたい〉と歌っているし、このアルバムは段々と愛に走っていってるんですよね。結局、僕の生き方は〈あの時あの人に何をしてあげられたかな〉とか〈あの時あの人は何をしてくれたかな〉とか、人との関わり方に帰結するんですよ。『Love & Music』の頃は上手く言語化できなかったのですが、多分当時から同じことを考えているんじゃないかと思いますね」

 

リアム・ギャラガーとカート・コバーンになりたい

――先ほどのハイパーポップの話とも繋がりますが、この曲のラストは派手に音割れしてますよね。

「あそこには明確な意図がありますね。最後の曲にすることを決めてから付け足した部分なんですが、あれは回想シーンや走馬灯のイメージなんです。15曲目までたどり着いてあの部分を聴いた時に、今までの記憶が全部呼び覚まされるかのようにしたくて。〈I love you〉という言葉と同時に、聴いている人の頭の中を〈ぶわーっ!〉とぐちゃぐちゃにしたかったんですよね。

あと、今作ではあまりシンセを使わなかったので、僕のオリジンにあるようなバカデカシンセを使いたくなったところもありますね。最後の最後に忘れ物を〈ぶわーっ!〉とやりました(笑)」

――そのラストの場面がまさにそうですが、今作は前作と比べてもエモーショナルな歌唱が目立つように思いました。

「ここ2年くらいでようやく〈こういう歌を歌いたい〉というロールモデルを見つけたんですよね。やっぱりリアム・ギャラガーとカート・コバーンになりたくて(笑)。がなり声って凄く難しくて、訓練しないとわざとらしくなってしまうんですよ。でもいつかは上手くなると信じて、ニルヴァーナをカバーしまくったりして。その成果が出始めたのかなと思います。ロールモデルがいない状態だと、基礎練習をしてもその先が想像できなくて、歌が全然上達しなかったんですよね。最近は歌を褒められることも増えてきて、やっと戦えるラインに来たのかなと思っています」