RPG史にさん然と輝く「クロノ・トリガー」のレコードBOXが登場!

 1995年にスーパーファミコン用に発売され、その後もさまざまなゲーム機用に移植されながら愛され続けているRPG「クロノ・トリガー」。人気の秘訣は、鳥山明や堀井雄二をはじめ、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といったRPGを代表する大作を支えてきたスタッフが集結して作りあげた壮大なストーリーや仕掛け、ビジュアルにあるのは間違いない。加えて、光田康典による音楽もその一端を担っていることも、異論をはさむ余地のない事実である。

 この「クロノ・トリガー」が実質的なデビューとなった光田康典。民族音楽やジャズの手法を大胆に導入したのに加え、オーケストラとの共演や、アヌーナ、ドリーマーズ・サーカスといった民族音楽界のトップランナーたちとのジョイントも次々と実現させるなど、ゲーム音楽の可能性を無限に広げて続けている唯一無二の存在だ。

 「ゲームのサウンドトラックに求められるのは機能的であることで、いわば消費者的なアートだといえますが、光田さんの仕事はそうした枠を超えたアーティスティックなもの。その意味で、光田さんと私の創作活動は同じ起点に立っているし、私たちの間に言葉は必要ないのです」

 これは、アヌーナの中心人物であるマイケル・マクグリンが光田について語った言葉。まさに彼の活動の本質を突くコメントだろう。

光田康典 『CHRONO TRIGGER Original Soundtrack Vinyl LP Box』 スクウェア・エニックス(2026)

 このレコードBOXでも光田の魅力を存分に味わうことができる。ゲームを彩る楽曲の数々には、電子的なサウンドの中にもハーモニーの美しさがあり、その向こうに、オーケストラやバンドによって演奏される姿がしかと目に浮かぶのだ。レコード独特の温かみのあるサウンドも、楽曲の魅力を引き立てるのにひと役買っているのは言うまでもないだろう。

 本作は4枚組で、それぞれのジャケットには、鳥山明がゲーム開発時に手がけたイラストが採用されている。レコードを〈もつよろこび〉も味わえるのも、ファンにとっては嬉しいところだ。