「ドラゴンクエスト」の堀井雄二、「ドラゴンボール」の鳥山明、「ファイナルファンタジー」の坂口博信がタッグを組んで誕生した名作RPG「クロノ・トリガー」。そのゲームを彩る音楽──時空も国境も超えて旅をする物語を映した架空のワールド・ミュージック──も根強い人気を誇る同作は、が1995年3月11日の発売から30年を迎えた、今も音楽にまつわる様々な記念企画が送り出されている。本作は、そのなかのひとつとなるオーケストラ・コンサートに向けて編曲されたセットリストから、10曲をピックアップしたアルバムだ。
作曲した光田康典は無国籍なエッセンスと交響楽的なオーケストレーションを重ねた作風を特徴とするが、アナログ・シンセを主とするオリジナルも非常にシンフォニックな作りである。今回のオーケストラ・アレンジ版を手がけた山下康介も奇を衒うことなくその方向性を継承した印象。〈時を超えて多くの人々に愛され続ける冒険が、壮大なフルオーケストラの旋律とゲームの名場面とともに蘇る〉というコンサートのテーマと同様に、壮麗なオーケストレーションを通じて「クロノ・トリガー」という作品の持つリリシズムとダイナミズムを堪能できる一枚となっている。