良くも悪くもいまだ便利に引用される現代音楽の御大シュトックハウゼン。確かに彼の足跡を辿れば現代音楽の殆どの技法と変遷を網羅的に把握できる重要人物である。賛否両論を常に生んだ事実だけでも彼の存在が異端だったとわかる。作品の理解を深めるため自著を頑張って読むとその難解な作品がなんとなくわかった気にはなる、が、やっぱり本当にはわからない。前衛の極北、イッちゃってた人の誕生から音楽手法までをコンパクトかつ詳細に分析。作品が面白ければ人間も面白いわけで〈技術的には困難ながらも実現可能〉な世界を追求した超先鋭作曲家の奇天烈な全貌を少しでも分かった気になろう。