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複数の作家が何度も行き交う〈adieuという土地〉

そして、そうした主題が作品をまたいで持続してきた背景には、多くの書き手が一度きりではなく、繰り返しadieuに曲を託してきたことがある。そこで見えてくるのは、多様な作家たちがadieuの表現を深く理解し、一度きりの客演としてすれ違うのではなく、交差点のように何度も出会い直しているということだ。そしてその都度、その時期に必要な言葉を、夜や別れといった普遍的な主題に沿って受け渡していく。そうすることで、その時々の人生の痕跡が声のなかに刻まれていく。その蓄積こそが、複数の作家が行き交いながらも、〈adieuという土地〉を肥沃な土壌へと育ててきた。作家陣の多彩さはこのプロジェクトの条件ではあっても、核ではない。核にあるのは、その多様な言葉を受け取ることによって育まれた上白石萌歌の成熟が、ひとつの分かりやすい自己像へと回収されることなく、なお揺らぎを含んだままadieuらしさを深めてきたことにある。作家たちはその都度、〈adieuという土地〉に別々の種を蒔いてきた。しかし、その土地をその土地たらしめているのは、やはりそれらを受け止め、時間をかけて変化し続けてきたこの声なのだ。

「人間の土地」には、〈ある職業の偉大さとはおそらく、何よりもまず、人々を結びつけることにある。真の贅沢はひとつしかない。それは人間関係の贅沢だ〉という印象的な一節がある。adieuの歩みを振り返る時、この言葉は単なる甘美な比喩ではなく、むしろ彼女の本質を言い当てる補助線として響く。というのも、adieuとは声によってさまざまな作家と結びつき、そのたびに新しい関係を音楽として刻みながら、結果として上白石萌歌という主体の輪郭そのものを丁寧に立ち上がらせてきたプロジェクトだからだ。今までに歌ってきた曲の数だけ、他者とのあいだに結ばれた関係の痕跡と、その関係を通して変化してきた声の履歴が残されている。そう考えるなら、adieuはまさにサン=テグジュペリの言う〈真の贅沢〉を体現していると言えるのかもしれない。だからこそ、この土地にこれからどんな歌が実っていくのかを想像せずにはいられない。もしadieu自身が歌詞を書くとしたら、そこには何が描かれるのだろうか。引き続き『adieu 5』以降の活動にも期待してしまう理由は、まさにここにある。

 


RELEASE INFORMATION

adieu 『adieu 5』 CON(S)EPT(2026)

リリース日:2026年4月22日(水)

■初回生産限定盤(CD+Blu-ray)

品番:SRCL-13674〜5
価格:9,800円(税込)
紙ジャケット仕様、初回盤限定特典封入

■通常盤(CDのみ)

品番:SRCL-13676
価格:3,800円(税込)

TRACKLIST
CD
1. 元気?
Words and Music:Satoko Shibata
Arrangement:Rikimaru Sakuragi(prodz)Cooperation with Yaffle
2. 泣いてしまいそう
Words and Music:Jiro Yanase(betcover!!)
Arrangement:Rikimaru Sakuragi(prodz)Cooperation with Yaffle
3. ブルーアワー
Words and Music:luvis
Arrangement:luvis Additional:Yaffle
4. ナイトバード
Words and Music:Hiyune(chilldspot)
Arrangement:Rikimaru Sakuragi(prodz)Cooperation with Yaffle
5. 植物園
Words and Music:Wataru Sawabe(Skirt)
Arrangement:knoak Cooperation with Yaffle
6. Untitled
Words and Music:JQ(Nulbarich)
Arrangement:Yuka Kawabata(prodz)Cooperation with Yaffle 

Blu-ray ※初回生産限定盤のみ
adieu LIVE 2024 mare -冬のあまやどり-
adieu LIVE 2024 mare -冬のあまやどり- Behind the scenes
“ブルーアワー” MUSIC VIDEO Behind the scenes

 

LIVE INFORMATION
adieu LIVE 2026 bleuir

2026年5月30日(土)神奈川・横浜 KT Zepp Yokohama
開場/開演:17:30/18:30
スタンディング:8,800円(税込)
2F指定席:9,300円(税込)
※別途ドリンク代600円

 


PROFILE: adieu
上白石萌歌のクリエイティブコンソーシアム。 2017年秋、映画「ナラタージュ」の同名主題歌シングルにてデビュー。その歌声は〈時を止める歌声〉と称され、多くの反響を呼ぶ。

2019年、1stミニアルバム『adieu 1』をリリース。2021年、2ndミニアルバム『adieu 2』を発表後、初のワンマンライブ〈adieu First Live 2021 -à plus-〉をZepp DiverCity (TOKYO)にて開催。2022年9月、3rdミニアルバム『adieu 3』をリリース。同年9月から10月にかけて初のツアー〈adieu Tour 2022 -coucou-〉を開催した。

2023年7月、自身初の映像作品「[adieu TOUR 2022 -coucou-] at LINE CUBE SHIBUYA 2022.9.24」をリリース。8月にはスタンディングでのワンマンライブ〈coucou -夏のつどい-〉を渋谷WWW Xにて開催した。2024年8月、自身初の夏フェスとなる〈SUMMER SONIC〉に出演、11月には約2年ぶりとなるミニアルバム『adieu 4』を発表し、12月開催のワンマンライブ〈adieu LIVE 2024 mare -冬のあまやどり-〉はソールドアウトとなった。

2025年には香港でのフェスに招聘されるなど活躍の幅を拡げ、2026年4月22日(水)には5枚目となるEP『adieu 5』のリリースを控えている。

Official Site:https://www.adieu-web.com/
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