実に13年ぶりの通算5作目ながら、その圧倒的な寡作ぶりすらも神秘性の一部として超然とした存在感を築いてきたのがこのコンビだ。メロディーの美しさを耳残りさせながら繊細な電子音の有機的な作用でミステリアスな音像を創造する手法は変わらないものの、“Introit”を導入に重厚な“Prophecy At 1420 MHz”で始まる今回は、コーラスが印象的な“Age Of Capricorn”やロボ声が映える“The Word Becomes Flesh”などいつも以上にSF的で宇宙的なイメージを伴って響く。分厚いシンセの“Arena Americanada”はその極み。音楽的な流行とは無縁でも、否応なく時代の雰囲気が照射されたような大作だ。
ボーズ・オブ・カナダ(Boards Of Canada)『Inferno』メロディーの美しさと繊細な電子音が宇宙的なイメージを伴って響く13年ぶりの新作