
Fujii Kazeの歌声の響きは「複数のレイヤーを重ねたとき際立つ」
――個人的に“Comets + Gold”を聴いて、お2人の歌声には同じ成分が含まれているように感じました。あなたはよくベイビーフェイスなどと比較されたりもしますが、自分の歌声を客観的にどう捉えていますか?
「ベイビーフェイスを挙げてくれたけど、彼は最高だよね。まさにいい例だよ。彼の歌をたくさん聴いて歌ってきたりしていくなかで、僕は自分の歌声を見つけられたんだ。
彼が書いた曲……ボーイズIIメンやホイットニー・ヒューストンの曲(ホイットニーの“Exhale (Shoop Shoop)”を少し口ずさむ)なんかもフレージングがとにかく美しい。それとスティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハサウェイの歌声にも影響を受けているけど、やっぱりベイビーフェイスは特別だね」
――では、あなたが思うFujii Kazeさんの歌声の魅力は?
「彼の声は複数のレイヤーを重ねたとき、その響きが際立つ点でとても魅力的だ。アーティストによっては声を重ねるとあまり響きが良くないと感じる人もいるけど、彼の声は本当に良く響く。
そうした特徴があると緻密なボーカルアレンジを施す余地が生まれる。本当に彼の声を心から愛しているし、技術的な部分でもとても尊敬しているよ」
――そんなFujii Kazeさんと実際に声を重ねてみていかがでしたか?
「すごく良かった。僕自身これまでコラボレーションというものをあまりやってきてないけど、同じ部屋で一緒にアイディアを出し合いながら曲を作っていった経験は今回が初めてで。一緒に声を重ねていくことによって曲がどんどん生まれ変わっていく、それを直接感じることができたのはすごく楽しかったね」
――せっかくの機会なのであなたのことももっと知りたいのですが、例えば〈あなたを構成するアルバムを3枚選んで〉と言われたら何を選びます?
「OK。でもスティーヴィーのアルバムを3枚挙げるようなことはしないでおくよ(笑)。それでも最初に思いついたのはスティーヴィーの『Songs In The Key Of Life』(1976年)。それとミュージック・ソウルチャイルドの『Aijuswanaseing』(2000年)。あと1枚は……ちょっと待って、今すごいいろんな曲が頭の中で鳴ってる(笑)。そうだね、今ならディアンジェロの『Black Messiah』(2014年)かな」
――いずれも名盤ですね。では、もし“Comets + Gold”と合わせてもう1曲リスナーに薦めることができるとしたら?
「そうだなあ……今思い浮かんだのはオリータ・アダムスの“Get Here”(1990年)。すごく気に入っている曲なんだよね。もう1曲挙げていいならボニー・レイットの“I Can’t Make You Love Me”(1991年)。これも素晴らしい曲だよ」


