多彩な音やムードを詰め込んだロジャー・テイラーの新作も到着!!
クイーンのドラマーでありながら、ソロ活動も精力的に行なってきたロジャー・テイラー。2021年の前作『Outsider』は全英3位まで上昇、そのツアーを記録したライヴ盤『The Outsider Tour Live』では〈クイーンきってのロックンロール野郎、健在!〉を印象付けてくれた。そんなロジャーが通算7作目となるアルバム『Violence Insane In A Beautiful World』をリリースした。
長年のコラボ相手、ジョシュア・J・マクレーとタッグを組んだ本作は、『Revolver』以降のビートルズ作品のように、曲ごとに表情が大きく異なるアルバムをめざしたそう。南アフリカのクワイアをフィーチャーした“A Beautiful World”から始まり、同じクワイアを起用してEDM味との融合を試みた“Come On Summer (It’s Party Time)”、ビデオゲーム用の音楽を想定したというダークかつヘヴィーな“Violence Insane”など、多彩な楽曲が並ぶ。
ロジャーらしいロックンロール“Don’t Photograph Food”は、連日SNSに食べ物の写真を投稿する人々を揶揄しつつ、クイーンの“I’m In Love With My Car”を一瞥するようなフレーズもチラリと。クイーンではあえて控えていたという社会問題や世相に踏み込む姿勢は、過去のソロ作から一貫している。ドナルド・トランプへの怒りを込めた“Chump”が先行公開され話題になったが、こうしたアグレッシヴな歌詞をハードなロックンロールではなく、スロウテンポで表現した点もユニーク。他のバラードでもロジャーらしい美メロが際立っており、メロディーメイカーとしてのセンスは錆びていない。また、あえてストレートに、余計な装飾なしで臨んだジョン・レノンのカヴァー“Jealous Guy”は、ロキシー・ミュージック版に対する違和感がヒントになったそう。彼の狙い通り、ハイライトのひとつになった。
ロジャー・テイラーの作品と参加作。
左から、2021年作『Outsider』(EMI)、テイラー・ホーキンス&ザ・コートテイル・ライダーズの2019年作『Get The Money』(RCA)
