フリー音源の数々に加え、この春にはMOMENTがシーンを焚き付けるように発表した“Fight Club(Control Remix)”へのアンサー曲で話題を振り撒くなど、意欲的な動きが続くJinmenusagi。年に1枚を上回るペースで届いた4作目は、ほかを蹴散らすラッパーらしい立ち居振る舞いと、その裏で破綻する私生活や死が分かつ関係、そして喪失感から立ち上がるまでを物語的な構成で綴ったものに。それらのトピックに具体性を持たせた歌詞は、これまでになく捕まえやすい。〈もしこれでも理解されなきゃ/いっそ毒を飲んで死にたい〉(“Go Kill 'em All”)という叫びは何より本音だろう。同曲やMOMENTとの“They Know I'm Animal”など自慢のラップ力をそのままに、さらなる引き出しを開けた一作だ。