【特集】ZOKKON OF THE YEAR 14 to 15
さらなるリリースの膨大さに圧倒されたZOKKONシーンの2014年! 時代が流れようと、2015年も理屈抜きで楽しめるものがきっと楽しいはずです!
カタチあればいつか壊れ、新しいものにかわる――そう歌っていたのは山活ですが、あらゆる事象には変化が付きもので、絶えない川の流れであればこそ同じ形のまま時間だけが過ぎるというものはありません。
……なんて観念的な話は字数稼ぎですが、ともかく、とても把握できないほどの新顔が引き続き休みなく登場し、各々の舞台を盛り上げた2014年のZOKKON界隈。その一方で、2010年代初頭に活動をスタートし、いわゆる〈戦国時代〉を彩ったアクトがいろんな意味でひとつの節目を迎えた観を抱く人も多いのではないでしょうか。
そして、いわゆるブーム的な動きが裾野を広げて定着したりパラダイムを転換した結果、さまざまなスタイルやさまざまなフィールドを舞台に、ベタもメタも引っ括めて〈ZOKKON〉視する/されることに対して偏見のない人たちが本格的に増加してきたように思える部分もあります。その意味で広義でのZOKKON景気はまだまだ音楽シーンを賑やかにしてくれることでしょう。
……とかゴチャゴチャ書いてるヒマもないほど、とにかく恐るべき良作、良曲で溢れていたのも例年以上。ここではそのごく一部を振り返ると共に、2015年期待の星についても紹介していきます! *bounce編集部
つんく♂の療養や道重さゆみの卒業など、大きなニュースに見舞われたワンフォー期。そのぶん若きメンバーたちの進化が促進されたのも確かで、このアルバムからも湧いて出てくる決意の強さと一体感はどの時代の娘。にもなかったものかも。改めて聴くと“TIKI BUN”を筆頭に粒揃いです。 *出嶌
アグレッシヴなライヴ・パフォーマンスを武器に、四国は松山から全国にその名を轟かせてきた彼女たちも、まだまだ覚醒中。メジャーからの2枚目のアルバムとなった本作では、振り切ったパワー・チューンからバラードまで、上限知らずのポテンシャルを発揮。ホント、ビリビリさせられました! *久保田
メジャー・デビューから2年を経て届いた待望のファースト・アルバムは、シングルズ的な〈Doll盤〉と新曲集の〈Elements盤〉という、それぞれ中身の異なる内容に自信を詰め込んだパッケージに。“君のネガイ叶えたい!”に代表される大人っぽいノリにも挑み、その予想以上のポテンシャルには興奮! *出嶌
秋本帆華の脱力ヴォーカルが内包していたアシッドな魅力を引き立てたハウシーな好曲“いいくらし”で、チャートの頂上一歩手前まで昇り詰めた彼女たち。夏の武道館初ワンマンも成功させたその勢い、攻めっぷりは、初アルバムとなった本作でも存分に実感。天下獲りもいよいよ本気! *久保田
稀少な〈王道〉ソロ・アイドルとして、前年のデビュー告知時点から期待を集めていた〈小さな大器〉。初作となったこのアルバムでは、往年のアイドルも手掛けてきた森雪之丞、三浦徳子らを作詞に迎えるなど、レトロでモダンなアイドル・ポップを標榜。まずは十分期待に応えてみせた。 *久保田
2013年初夏から始まったストーリー。アイドリング!!!ではなかなかキャッチしづらかったシンガーとしての個性も、作品を重ねるごとにブラッシュアップ。初のアルバムでは〈可愛い〉〈美しい〉〈カッコイイ〉だけじゃ言い尽くせない魅力が、深~い色合いを放ちながら輝いていました。 *久保田
福岡の注目株が初期体制で残した最高のアルバム。ブームから生じたアイドル・ソングのヴァリエーションも悪びれず多様に取り込み、コモPと筑田浩志が各々に色付け。情熱的な歌いっぷりに聴き惚れます。リリース前後に動きが止まったのは無念でしたが、良曲は現体制に逞しく引き継がれています! *出嶌
〈V字回復〉に驕らず、精力的なライヴで磨き上げてきた歌唱と楽曲のパワーで改めて圧倒してくる一枚。アプガ&吉川友とのチーム・負けん気の結党も挿んで放ったこの2年ぶりのアルバムは、念願の中野サンプラザ公演へ向けたサウンドトラックに。武道館を目標に掲げた新年はどんな動きを見せる? *出嶌
〈あまちゃん〉特需から1年……公約の武道館公演をギリギリに実現させて解散を回避、その場で改名を発表、と年の瀬までお騒がせだった虎たち。ネタっぽいノリで押しつつも楽曲は怒髪天コンビや鶴によるシングルを筆頭にストレートなロック・ベースの好曲が多し。このアルバムで改めて確認を! *出嶌
九州アイドルのみの書籍も登場し、特に激戦区の福岡に注目が集まった2014年。アンセミックな“希望の蕾”をきっかけに開花寸前な現状をアピールしたこの老舗グループも機会を逃さず、満を持して好曲満載のファースト・アルバムを発表しました。新キャプテンと共に突入する新章の飛躍にも期待です! *出嶌