個人的な話で恐縮だが、数年前、家の近所にある東大原小学校(東京・世田谷区)の前を通った時、偶然みかけた校門の掲示板にあった山下洋輔講演の記事。本書によれば、ここは山下さんの「人生最初の母校」とのこと。納得。本書は90年刊行の父方のルーツをたどる名著『ドバラダ門』の続編といえる内容で、時空を行き来する“ドファララ門”を通じて、今度は母方である小山家の系図を探り、山下洋輔の生い立ち、音楽家としてのキャリアを交差させた摩訶不思議な自伝だ。タモリ、高岡早紀、茂木大輔、村上ポンタ秀一、羽佐間道夫など、その交流関係の広さと知られざる面白エピソードが満載。