マシューE・ホワイトのノスタルジックな世界

MATTHEW E. WHITE Fresh Blood Spacebomb(2015)

 フリージャズ集団、ファイト・ザ・ビッグ・ブルの一員であり、2012年以降はマイペースにソロでも活動しているマシューE・ホワイトから、2枚目のソロ作『Fresh Blood』が到着しました。幕開けはジャズ・オーケストラを従えてのしっとりとしたインディーAOR。その後もランディ・ニューマンを思わせるバーバンク調や、モロにホール&オーツなソウル・ポップが続き、分厚いプロダクションと優しい歌い口によって、甘い郷愁を誘うアルバムに仕上げています。

 

 

NATALIE PRASS Natalie Prass Spacebomb/HOSTESS(2015)

 そんなマシューの好調ぶりを示す作品がもう一枚。それがナタリー・プラスの処女作『Natalie Prass』です。ジェニー・ルイスのツアー・メンバーとしても知られるナッシュヴィル出身の彼女が放った本作は、マシューのプロデュース&彼が主宰するスペースボムからの登場となりました。『Fresh Blood』を支えた音楽家がここでも尽力し、ストリングスやホーンのゴージャスな音色を用いて、主役のレトロ・ソウル趣味を見事に炙り出しています。曲によっては歌い方も60sのダイアナ・ロスを意識した模様で、そのロマンティックな歌唱が幸せ気分を運んでくれますよ。