ウェストコースト・ロックの影の立役者から届けられた、約6年ぶりのニュー・アルバム。随所でジャジーなアプローチが垣間見えるが、ジャズそのものではなく。また、フォーキーな佇まいもあるが、決してフォークでもない。安易なジャンル分けとは無縁の静かに黄昏たサウンドは、誠実な歌を照らすセピア色のネオンライトのように儚い。それにしてもこの甘くホロ苦いヴォーカルは、あまりにも心に沁みすぎる。