耳で聴いたピープル・トゥリー 

 

THE ROLLING STONES Black And Blue Rolling Stones/Virgin(1976)

ライヴのオープニングSEで“She's A Rainbow”が使われている……というエピソードを持ち出すまでもなく、彼ら(というかNAOKI)のストーンズ好きは十分なぐらい伝わっているかと。なかでも70年代ストーンズに顕著なダンサブルなリフの数々は、デリコ・サウンドの随所でリファレンスされています。 *久保田 

 

 

CAROLE KING Tapestry Ode/Columbia(1971)

自然体で普遍的な響きを持ったキャロルの歌声――どこか懐かしくて寂しさを感じさせる点も含め、KUMIの魅力と共通する部分を挙げ出したら両手足の指じゃ足りないほどだ。上手下手のレヴェルを越え、聴き手の心に深い情感を残していく歌力が存分に働いたこの名作は、KUMIとNAOKIの愛聴盤でもある。 *桑原

 

 

EAGLES Eagles Asylum(1972)

本作収録曲“Take It Easy”をライヴのレパートリーにしていたことからもわかる通り、この70s西海岸ロックの代表格に寄せるデリコの思いには、相当深いものがありそう。とりわけカントリー・ロック路線にシンパシーを抱いている模様で、『ABBOT KINNEY』収録の“Beautiful Day”は彼らへのオマージュか!? *桑原 

 

 

THE BEATLES Help! Apple/Universal(1965)

“Help!”のカヴァーをカップリングした2006年のシングル“Aha!(All We Want)”、その曲もまた“All You Need Is Love”のオマージュだったり……。サウンド面というよりも言葉のチョイスにおいてビートルズからの影響を色濃く映しているデリコ。そもそもデビュー曲の表題が〈LADY MADONNA〉ですから。 *久保田

 

 

BILLY JOEL 52nd Street Columbia(1978)

NY育ちのロックンロール・ピアノマンが書くメロディーは、KUMIも大のお気に入りなようで……。デリコの“Happy Birthday”を聴いた時、Bメロの展開が御大の魅力を凝縮したポップ・チューン“My Life”っぽくてニヤけてしまった。今後2人にはビリーの名曲群もぜひカヴァーしてもらいたい! *桑原 

 

 

SHERYL CROW Sheryl Crow A&M(1996)

オーセンティックなUSロックの継承者であるシェリルは、KUMIのフェイヴァリット歌手のひとり。曲調に合わせて巧みに声の調子を変化させる彼女だが、なかでもアーシーな“Sweet Rosalyn”みたいに気怠く投げやり気味な歌表現が魅力的だ。その影響は“Free World”におけるKUMIの歌唱に見て取れる。 *桑原 

 

 

JANIS JOPLIN Pearl Columbia(1971)

シェリル・クロウと並んでKUMIがお気に入りシンガーに挙げるジャニス。あの絶唱スタイルを模倣しているわけではないものの、ステージ上では“Move Over”を口ずさむ姿がたびたび目撃されているほか、“dry town”や“waltz”に貼り付いた暗さ、重さ、痛々しさのインスピレーション源もあきらかに……!? *山西

 

 

SIMON & GARFUNKEL Bookends Columbia(1968)

アーシーさとモダンさを絶妙に配合したデリコのフォーク・ロックは最高! で、フォーク・ロックと言えばこのデュオがパッと浮かぶが、アコギがザクザクとリズムを刻む“Here I Am”のイントロを耳にし、〈“A Hazy Shade Of Winter”みたい! やっぱり2人もS&Gが好きなんだ!〉とはしゃいだ人は少なくないはず。 *桑原

 

 

R.E.M. Out Of Time Warner Bros.(1991)

言葉のなかに落とし込まれた〈精神世界〉という部分では、ボブ・ディランやシェリル・クロウ、マイケル・スタイプが書くそれにも似たシリアスさを時折覗かせるデリコ・ワールド。マンドリン使いに加え、難しいと思われるようなことを至極ポップに心地良く聴かせてしまうあたりもまたR.E.M.的で。 *久保田 

 

 

CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL Pendulum Fantasy(1970)

ヴェトナム戦争が泥沼化していく最中の71年にヒットした“Have You Ever Seen The Rain?”。アメリカン・ロックの良心とも言うべきこの曲を、デリコはナチュラルなギター・サウンドで調理してみせた。オリジナルへの愛を滲ませつつ、モダンな一曲として甦らせることに成功した、良心溢れる名演だ。 *桑原 

 

 

LED ZEPPELIN Led Zeppelin II Atlantic(1969)

60~70年代のロックが好きで、ギター・リフをサウンドの核にしている……となれば、やはりジミー・ペイジ師匠の門を叩くのは当然で。“Immigrant Song”のように派手めな部分はもちろんのこと、本作の後半で確認できるアコースティックな佇まいまで、しっかりお手本にさせていただきました。 *久保田 

 

 

VAN HALEN Van Halen Warner Bros.(1978)

歴史上のギタリストのなかで、ジミー・ペイジの次に来る〈ニューウェイヴ〉と言えばエディ・ヴァン・ヘイレン。当然ながらNAOKIも学生時代からせっせとコピー。あからさまな影響はキャッチしにくいが、デリコ・サウンドが単なるヴィンテージに終わらないのは、ここを通ってきたのが大きいはず。 *久保田 

 

 

ERIC CLAPTON 461 Ocean Boulevard RSO/Polydor(1974)

“It's You”のカップリングで“Lay Down Sally”をカヴァーするという、クラプトンからの直接的な影響を示すトピックもありますが、それよりも興味深いのが2013年の“Good To Me”。ブルージーな序盤からレゲエに展開していく作りなんて、まるで本作の旨みを一曲に凝縮した感じじゃないですか! *山西

 

 

SHOCKING BLUE Shocking Blue Platinum Best ビクター(2013)

音のフィーリングはあきらかに洋モノなんだけど、メロディーやグルーヴの機微が日本人のハートに異様にフィットする――そんな曲が洋楽史上には数々ありますが、邦楽ながらデリコもそれだと、〈LADY MADONNA〉を聴いてショッキング・ブルーの代表曲“Venus”を思い起こした時から思っています。 *久保田  

 

 

BOB DYLAN The Freewheelin' Bob Dylan Columbia(1963)

TV番組で佐野元春と一緒に“Like A Rolling Stone”や“Blowin In The Wind”を歌うなど、折に触れてディラン愛を表明してきた2人。デリコを追ってきた人なら、ディランの止まることなく転がり続ける生き様、いつまでも尖ったままのロックンロール・スピリッツに、彼らが感応していることは理解しているはず。 *桑原 

 

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