衝撃的な『The Brazilian Job』などで名を上げ、ドラムンベース界隈にブラジリアン旋風を吹かせた第一人者のマーキー。それから15年ものキャリアを維持しつつ、よく考えると日本でもヒットした『In Rotation』はXRSとのタッグ作だったわけで、ソロ名義のオリジナル・アルバムはこれが初だ。基本的にはマコトS.P.Y.と重ねてきた近作の流れを踏襲し、往年のフューチャー・ジャズ的な風情も帯びたクロスオーヴァーな作風でスムースに駆け抜ける。アーメン・ビート全開なマコトとの“Roundabout”、ヴァレリー・シンプソンを声ネタ使いした“Silly”などレンジの広い楽曲が並ぶなか、LTD“Love To The World”のループに尋常じゃなくソウルフルな温かみを纏ったハウス“Freedom”が圧倒的なハイライト。