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オーティス・レディングやJBを引き合いに出されたりもするヴィンテージ・トラブル(以下、VT)のタイ・テイラーだが、より歌唱法が近いのは激情型シャウターのこの人か。“Land Of 1000 Dances”の〈ナ~ナナナナ~〉がVTの前作収録曲“Total Strangers”と重なったりも。 *内本
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US南部臭のするいなたいソウルと60s~70s的なロックを合わせた音にVTと通じ合うものがあり、しかも双方UKから人気に火が点いている。2作目リリース時期もほぼ重なったが、こちらはオルタナ感の加味で別方向への進化を見せた。 *内本
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まるっきり出自が異なるやん!と思われそうだが、この10作目にはVTの披露するスロウと並べて聴きたいナンバーがいくつか。特に“Stuck In A Moment You Can't Get Out Of”はロック・バンドによるソウル・バラードの手本とも言える名曲! *内本
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いまも色褪せないレニーの2作目。キャリア中でもっとも黒々としていて、ロックの衝動とソウルの豊かさが無理なく合わさっている。VTの前作で聴ける“Run Outta You”は、咽ぶギターといいヘヴィーな曲調といい、ここに入っても違和感なし!? *内本
音楽性はもちろん、4人編成でベースがのっぽだったり、フロントマンがマイクを股間に当てておかしな動きを見せるところだったり、VTとの共通点が何かと多いザ・たこさん。この4作目はロック味とソウル味のバランスが最良。共演をマジで熱望! *内本
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VINTAGE TROUBLE The Swing House Acoustic Sessions Vintage Trouble/ソニー(2014)
ライヴ会場と配信限定で発表されたEPがこのたび日本盤化。聴きどころはMG's愛溢れるブルージーな1曲目と、やや抑え気味の歌唱で爽やかにキメたフォーキー・ソウル“Never Mine”という2つの未発表曲! *山西
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ハモンドを核としたファンキーな演奏でジワジワ評価を上げているオランダのバンド。甘いミディアムでのファルセット、激しいアップで聴けるシャウトの使い分けは、レニクラやタイの系譜を継ぐもので、ポストVTの座にもっとも近い存在と言えそう。 *山西
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本文(VTインタヴュー)でも触れたが、新作内の“Angel City, California”は意外にもウェストコースト・ロックみたいな曲調で、ドゥービーズのこの3作目あたりにルーツが見られそう。開放的だけど、ギターは軋み、リズムもどっしり。 *内本
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半数がブルースとリズム&ブルース曲のカヴァーから成る4作目。オーティスやドン・コヴェイらへの憧憬をバンドの勢いでもって表現したあたりが、いまのVTっぽい。後にストーンズもドン・ウォズとタッグを組んでいましたね。 *内本
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後にポップ路線へ移行するが、始まりは黒人音楽にどっぷり心酔してブルース・ロックを表現していたグループ。がむしゃらなライヴ・バンド感と泥臭いのに明るさもある熱のこもったこの初作は、VT好きにもぜひ聴いてもらいたい。 *内本
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大らかなアメリカーナ色を感じられるのも『1 Hopeful Rd.』の魅力。思えばこのジョン・メイヤー作品をはじめ、近年のドン・ウォズはフォーク・カントリー的な良い仕事が多く、そうした成果はVTの新作のラスト曲に持ち込まれています。 *山西