微分音トランペット操る俊英、イブラヒム・マーロフのインパルス移籍盤はアラブ歌謡の女王ウム・クルスームへのオマージュ作

2015.11.17

父が開発した微分音トランペットを操り、映画『イヴ・サンローラン』のサウンド・トラックも手掛けたレバノン出身パリ在住の俊英。インパルス移籍の本作は没後40年のアラブ歌謡の女王、エジプトのウム・クルスームへのオマージュ。マーク・ターナーラリー・グレナディアを迎えた2011年作『ウィンド』でマイルスにアラブの風を吹き込んだその理論と地続きの本作も彼のサウンドの特徴である爆発力のあるミクスチャーサウンドではなく緊張感に満ちたクールな佇まいである。アラブの血でジャズを捉えたのが『ウィンド』であったならばジャズの血でアラブを捉え直したのが本作と言えるだろう。

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